アップルの折りたたみ参入前夜!? Samsung(サムスン)が「Galaxy Z Fold8」と3機種体制で狙うスマホ新戦略
サムスンが投入した3つの折りたたみスマホ
今回サムスンが投入する折りたたみスマートフォンは、横開き型の「Galaxy Z Fold8」と「Galaxy Z Fold8 Ultra」、縦折り型の「Galaxy Z Flip8」の3機種です。
「Galaxy Z Fold8」は、横に開くと4:3比率の画面が現れる、これまでのGalaxyとは異なる新形状のモデル。「Galaxy Z Fold8 Ultra」は、約8インチの大型ディスプレイや2億画素クラスのカメラを備えたハイエンドモデルです。一方の「Galaxy Z Flip8」は、縦に折りたためるコンパクトさと、閉じた状態でも活用できるカバー画面を特徴としています。
つまり今回の3機種は、単なるサイズ違いではありません。新しい画面比率を提案する「Z Fold8」、大画面と高性能を追求する「Z Fold8 Ultra」、携帯性を重視する「Z Flip8」と、それぞれ異なるユーザーに向けた製品です。
サムスンはこれまでの「折りたたみスマートフォンを選ぶかどうか」という市場から、「どの折りたたみスマートフォンを選ぶか」という市場へ移行させようとしているのでしょう。その戦略の中心に位置するのが、今回新たに加わった「Galaxy Z Fold8」です。
Galaxy Z Fold8は「第三の折りたたみ」
折りたたみスマートフォンは、パッと見は通常のスマートフォンに近いものの、その構造には大きく2種類あります。
ひとつ目が、横方向に開いて正方形に近い大画面が現れ、タブレット的に使えるフォールド型。ふたつ目が、縦方向に折りたたんで手のひらサイズに縮められるフリップ型です。
日本市場ではフォールド型はサムスンのほか、モトローラ、グーグル、オッポ、ヌビア(ZTE)などが展開。フリップ型はサムスン、モトローラ、ヌビア(ZTE)の3社が競合しており、実は国内でも折りたたみスマホの選択肢はかなり増えています。
そんな中で登場した「Galaxy Z Fold8」は、既存のどちらとも異なるコンセプトを持つモデルです。本体を閉じた状態は、一般的なスマートフォンより横幅が少し広く、縦方向がやや短い独特のプロポーション。そして開くと、4:3比率のディスプレイが現れます。

サイズ感としては片手でもしっかりホールドできる範囲に収まっており、重量は約201gと折りたたみとしては軽量。厚さも開いた状態で約4.5mm、閉じても約9.7mmと、折りたたみスマホとしては十分スリムな仕上がりです。
これまでのフォールド型は、展開時の画面が大きすぎるがゆえに「使う場所を選ぶ」側面がありました。
一方フリップ型は、閉じたときのコンパクトさが魅力である反面、カバー画面のサイズや機能に制約が残っていました。「Galaxy Z Fold8」は、その間を埋める「第三の折りたたみ」と位置付けられる存在です。
閉じても開いても「コンテンツ向き」な画面サイズ
「Galaxy Z Fold8」は折りたたみならではの制約を感じにくい設計が特徴です。閉じた状態でも、SNSのタイムラインを縦方向にスクロールしながら快適に閲覧でき、カメラを起動すれば外画面ほぼ全面をファインダーとして活用できます。
本体を開くと、4:3比率のディスプレイがコンテンツ視聴に最適なキャンバスに変わります。動画や写真をほぼ画面いっぱいに表示できるほか、縦向きに持ち替えれば実質的に3:4比率となり、電⼦コミックや縦動画の表示にも向いた比率になります。
このように「Galaxy Z Fold8」は、閉じた状態でも開いた状態でも、動画・書籍・コミックなどのコンテンツを「画面サイズを無駄なく使って楽しめる」よう設計されたモデルです。フォールド型とフリップ型の中間サイズでありつつ、両者の利点を取り込んだ形状と言えます。

新しい画面比率を採用したことで、「これまで折りたたみスマホにピンと来なかった層」にもアピールできる可能性があります。
閉じた姿と開いた姿のどちらも、従来のスマートフォンとは異なるシルエットを持つため、店頭やSNS上での「見た目のインパクト」も大きいはずです。
日本でも世界同時発売とした理由
サムスンが「Galaxy Z Fold8」を今投入した背景には、折りたたみスマホ市場の拡大という明確な狙いがあります。
同社が初代「Galaxy Fold」を披露したのは2019年2月。それ以降、フォールド型を毎年ブラッシュアップしながら、フリップ型もラインアップに加え、「フォールド+フリップ」という2本柱で市場を育ててきました。
とはいえ折りたたみスマホは、「価格が高い」「サイズや重量のハードル」「使い道がイメージしづらい」といった要因から、販売台数は伸びているものの、普及率という観点ではまだニッチな存在にとどまっています。
2025年に発売された「Galaxy Z Fold7」は、フォールド型でありながら薄型・軽量化を徹底したモデルで、日本でも販売を伸ばし折りたたみユーザーの裾野を広げました。それでも、東京の通勤電車で折りたたみスマホを頻繁に見かけるとは言い難いのが現状です。
折りたたみユーザーを本格的に増やしていくには、「新しい使い方」や「分かりやすい価値」の提案が不可欠です。
「Galaxy Z Fold8」はその役割を担うモデルであり、実際にロンドンで開催された発表会会場でも、世界中のメディアやインフルエンサー、業界関係者が熱心にこの端末をチェックしていました。
今回発表された3機種は、日本では8月7日に発売予定です。これまでサムスンのスマートフォン新製品は、海外より遅れて日本に投入されるケースが多くありましたが、今回は世界同時期のローンチとなりました。
そこには、折りたたみ市場が本格的に広がる局面で、日本を「後追い市場」にしないという意図があると考えられます。
「折りたたみiPhone登場説」がもたらすプレッシャー
毎年9月になると、スマートフォン市場の視線はアップルの新型iPhoneに集まります。アップルに世界の注目が集中する時期だけに、他社は新機種の投入タイミングを慎重に調整せざるを得ません。
今年はそのアップルがいよいよ折りたたみ型のiPhoneを披露するのではないかという観測が、各所で高まっています。中国ではそれらしいモックアップが出回っているとも言われ、投入は時間の問題だという見方もあります。

噂される折りたたみiPhoneの形状は、「Galaxy Z Fold8」と同じく、横に開くと4:3に近い比率の画面を備えたワイドボディとの情報が出ています。
同類デザインのモデルがアップルから登場すれば、サムスンにとって折りたたみ市場で真正面からぶつかる強力なライバルになるでしょう。
折りたたみスマホの黎明期から継続的に製品展開してきたサムスンは、これまで「折りたたみといえばGalaxy」というポジションを築いてきました。しかし折りたたみiPhoneが登場すれば、そのイメージが一気に塗り替えられる可能性があります。
日本市場は、米国同様にiPhoneシェアが極めて高く、サムスンの折りたたみラインアップを知らない層も少なくありません。
そうしたユーザーの目の前に4:3ボディの折りたたみiPhoneが登場すれば、「コンテンツが見やすい新体験」「見たことのないまったく新しいiPhone」として大きな話題をさらうことは容易に想像できます。
価格は30万円台後半から40万円超になるという見方もありますが、むしろその高さが「超プレミアムiPhone」という物語を生み、話題性をさらに押し上げる要因になり得ます。
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