スーパーカー世代にはたまらない! 懐かしの赤いランチア「ストラトス」がオークションに登場 半世紀前の“伝説のラリーカー”のベースになったホモロゲモデルの価値は
落札予想価格は1億円超え
1970年代のスーパーカーを知る世代にとって、ランチア「ストラトス」は忘れられない存在でしょう。
極端に短いボディと鋭いウェッジシェイプを持つ独特のスタイルは、フェラーリやランボルギーニとはまた違った魅力を持っていました。
日本でも池沢さとし氏の漫画「サーキットの狼」に登場するなど、スーパーカー世代にはその名前を知られた1台です。
そんなストラトスが、いまオークションで1億円を超える価格で取引されようとしています。ブロード・アローが2026年10月9日にベルギーで開催する「ザウテ・コンクール・オークション2026」に、1976年式「ランチア・ストラトスHFストラダーレ」が出品されます。
落札予想価格は65万~75万ユーロ。日本円では約1億1640万~1億3430万円という価格帯です。
ストラトスは、そもそも通常の市販車をベースにしたラリーカーではありません。ランチアが世界ラリー選手権で勝つために、最初から競技車両として開発した、極めて異色のモデルです。
1970年のトリノショーに登場したベルトーネ「ストラトス・ゼロ」のデザインを発展させ、マルチェロ・ガンディーニがボディを手がけました。特徴的な短いホイールベースとミッドシップレイアウト、そしてフェラーリ「ディーノ246GT」にも搭載された2.4リッターV6エンジンを組み合わせています。

WRC参戦のために製作されたストラダーレは、グループ4のホモロゲーションを取得するためのモデルでした。生産されたストラダーレは492台とされ、競技用マシンと基本的なメカニズムを共有。ストラトスは1974年から1976年までWRCマニュファクチャラーズタイトルを3年連続で獲得するなど、ラリー界を代表する存在となりました。
今回の個体はシャシナンバー「001715」。1976年式で、走行距離は約1万4000kmです。ドイツ市場向けに納車されたわずか20台のうちの1台となります。
ボディカラーは鮮やかな「Rosso Arancio」で、タンカラーのファブリック内装を組み合わせています。ドイツ市場に新車として納車された個体で、当時のドイツの車両登録書類のコピーも残されています。さらに、マッチングナンバーを備え、オリジナルに近い状態が保たれていることも大きなポイントです。
とくに興味深いのが、そのボディです。ラリー仕様のストラトスでは大型のスポイラーなどが装着されることがありますが、今回の個体はそうした後付けパーツを持たない、いわば「素のストラトス」。ガンディーニが描いたオリジナルのシルエットを楽しめる個体です。
搭載エンジンはオリジナルのマッチングナンバーのフェラーリ2.4リッターディーノV6エンジン。オーバーホールし240馬力にパワーアップされています。
近年のオークションでもストラトスの評価は高く、2026年1月には1975年式ストラダーレが81万5000ユーロで落札された例があります。一方、2025年3月にはブロード・アローオークションで別の1975年式が69万2500ドルで落札されるなど、個体の状態や履歴によって価格には幅があります。
今回のストラトスは、単に「昔の珍しいイタリア車」というだけではありません。
世界ラリー選手権を勝つために生まれた純粋な競技車両を公道で楽しめるようにした、まさにホモロゲーションモデル。その異形ともいえるデザインと、フェラーリ由来のV6、そして「サーキットの狼」にも登場したという日本での知名度を考えれば、スーパーカー世代にとって特別な1台であることは間違いありません。
果たして今回、1億円を大きく超える落札となるのでしょうか。スーパーカー世代には懐かしく、現代のコレクターには希少なラリー・アイコン。ストラトスの現在の価値を知るうえでも、注目したいオークションです。
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