アイルトン・セナの家族が30年間保管していたF1マシンが初登場! 1994年式ウイリアムズ・ルノー「FW16」驚きの来歴とは?
セナ、ヒル、マンセルと3人の世界チャンピオンがドライブした1台
1994年シーズンにアイルトン・セナがドライブしたウイリアムズのF1マシン「FW16」が、RMサザビーズのオークションに登場します。
注目は、その特別な来歴です。
このマシンは1994年シーズン終了後、ウイリアムズからセナの家族に贈られ、実に30年間にわたってセナ家で保管されていたものです。予想落札価格は400万〜600万ドル(約6億〜9億円)。
今回、初めて一般向けに公開オークション販売されます。

出品されるのは、シャシナンバー01の「FW16B-01」です。
1994年は、セナがマクラーレンからウイリアムズに移籍したシーズンでした。
前年まで圧倒的な強さを誇っていたウイリアムズですが、1994年からレギュレーションが変更され、アクティブサスペンションやトラクションコントロールなどの電子制御技術が禁止されました。そのため、チームは新しい規則に対応したマシンの開発を余儀なくされます。
エイドリアン・ニューウェイとパトリック・ヘッドが設計したFW16は、シーズン序盤にはセッティングが難しく、必ずしも扱いやすいマシンではありませんでした。
それでもセナは開幕戦ブラジルGP、続くパシフィックGP、そしてサンマリノGPで3戦連続ポールポジションを獲得しています。
今回のシャシ01は、開幕戦ブラジルGPでは予備車として用意されましたが、決勝日のウォームアップ走行でセナがドライブしています。その後のヘレスでのテストでもセナとチームメイトのデイモン・ヒルが走行しました。
さらに興味深いのは、このマシンがセナだけのものではないことです。
その後、デビッド・クルサードがスペインGP、カナダGP、イギリスGPで使用。1994年フランスGPではナイジェル・マンセルもドライブしました。
つまり、セナ、ヒル、マンセルという3人のF1ワールドチャンピオンがステアリングを握った、非常に珍しいシャシなのです。
シーズン途中には改良が加えられ、タイトル獲得に貢献したFW16B仕様へとアップデートされました。ウイリアムズは1994年のコンストラクターズチャンピオンを獲得しています。

そして、このマシンにはもうひとつ特別な物語があります。
セナとの契約には、ウイリアムズが1994年のコンストラクターズタイトルを獲得した場合、シーズンで使用したシャシをセナに贈るという約束が含まれていました。チームはその約束を守り、シーズン終了後にシャシ01をセナの家族に贈呈したのです。
その後30年間、セナ家で大切に保管されてきました。2024年にRMサザビーズを通じて現在のオーナーに渡り、今回、初めて一般向けのオークションに出品されることになりました。
セナの個人用シートも備え、レストアされていない保存状態という点も見逃せません。
単なる元F1マシンではなく、セナが最後に所属したチームとの約束、そして家族が守り続けてきた30年間の歴史までが詰まった一台です。400万〜600万ドルという予想価格も、その希少性とストーリーを考えれば、世界のコレクターが注目するのも納得できそうです。
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