重要文化財「明治生命館」にカフェがある! 丸の内で味わう“昭和の名建築”とティータイム
巨大なコリント式の列柱が立ち並ぶ、圧倒的な存在感がある建物
地下鉄二重橋前駅の改札を抜け、階段を上がってすぐ。皇居のお堀沿いに建つ荘厳な建物が「明治生命館」。

名前の通り、ここは明治生命(現・明治安田生命)の本社だった建物ですが、2005年に一般公開を再開し、館内を見学できるようになりました。
さらに、2025年11月には館内にカフェもオープン。美しい建物の中でティータイムを過ごすことができます。
明治生命館は1934(昭和9)年3月竣工。設計は当時の建築学会の重鎮だった岡田信一郎氏。大正から昭和初期にかけて、歌舞伎座、日本銀行小樽支店の設計やニコライ堂の修復などを手がけた建築家です。
明治生命館の主要な意匠は、古代ギリシャ・ローマを源流とする「古典主義様式」でまとめられています。特にインパクトが強いのは皇居のお堀に面した外観。5層分を貫く巨大なコリント式の列柱が立ち並び、西欧の建物に引けを取らない、圧倒的な存在感を放っています。

その美しさは外観だけではなく、内装も圧巻。柱や壁の細工やイタリアの大理石を使ったモザイク模様の床など、その一つひとつに、当時の職人たちの技術の素晴らしさを感じられます。
建築全体の美しさはもちろんのこと、歴史的背景も含め、1997(平成9)年には昭和の建造物として初めて国の重要文化財に指定されました。
本当にこれが元社屋なの!? 見どころがいっぱいの館内
館内は、1階と2階が見学できます。1階は旧店頭営業室や、現在も使われている保険相談窓口の個室などがあり、2階は旧食堂や応接室、会議室、そして見どころなどを紹介する資料・展示室などがあります。
そのどれもが見応え十分。天井、壁、柱などの大きなものから、ドアの蝶番など小さなものまで。そして今では見なくなった、地下厨房から食事を運ぶ専用の小型エレベーターや、郵便物を投函する「メールシュート」など、約90年前のオフィスビルの最先端設備まで知ることができます。
明治生命館は1945(昭和20)年9月12日から1956(昭和31)年7月18日まで、アメリカ極東空軍司令部として接収されました。この間、1952(昭和27)年まで2階の会議室が、連合国軍最高司令官の諮問機関である対日理事会の会場として使用され、マッカーサー総司令官もこの会場で開催された会議に何度も出席しています。

「明治安田CAFE 丸の内」のおすすめ、オリジナルブレンドのコーヒー&スイーツ
1階から2階の回廊へ、そしてそれぞれの部屋を見学して古典主義建築を堪能した後、1階に戻ってカフェへ。高い天井、広々とした空間で、優雅なティータイムを過ごしてみませんか?
1階、入ってすぐの大きな空間にあるのがカフェスペース「明治安田CAFE 丸の内」。列柱や高い天井などに圧倒される、まるで宮殿のような空間です。

「昔からある建物の喫茶ルームなので、ここの趣を感じられるようなメニュー作りや食器選びなどをしているんですよ。日常から離れた形でゆっくり過ごしていただきたいですね」と話すのはカフェの責任者である古川さん。
おすすめはオリジナルブレンドのコーヒー。最高級のコーヒーとして知られるブルーマウンテンの豆をベースにオリジナルでブレンドしたもので、某有名珈琲店で焙煎責任者だった人がプロデュース、コクや酸味のバランスを考えて作られたものだそうです。テイクアウト用の豆などは販売していないので、ここに来ないと飲めない唯一無二の深い味わいです。
もちろん、コーヒーだけではなく、紅茶も茶葉にこだわったものを提供。非日常的な空間だからこそ、こだわりのコーヒーや紅茶を飲みつつ、ゆったりとした時間を過ごしたい……のですが、あまりにも人気があるため「混雑時は90分制限になります」とのこと。
もちろんドリンクだけではなく、ケーキやパフェ、サンドイッチやハヤシライス、数量限定のアフタヌーンティーセットなどもあります。アフタヌーンティーは早い日だと午前中で売り切れてしまうことも。
事前に席の予約、メニューの予約などはできないので、おすすめは早めの時間に来て順番待ちの券を入手。満席の場合、大体の待ち時間を教えてもらえるので、その間に館内を見学して過ごすのがおすすめです。もちろん、ティータイムを楽しんだ後に、ゆっくり館内を見て回るのも◎。この館内の見学料が無料なこと、そして一部では座ったり手に触れたりできることに、「重要文化財なのにいいの?」と思ってしまうことも。「本物の凄み」を五感で感じられる、唯一無二の場所と言えそうです。
「観光やカフェ目的の方が多いのですが、中にはここで働いていたという、元社員の方も訪れるんですよ」。確かにここは元店頭営業室。なので、カフェエリアの近くにあるベンチや高さのある書記台も、保険会社だった時代のものをそのまま置いてあります。優雅なカーブが美しいベンチや大理石のモザイク柄の床などを見ていると、ここで働いていた人が少し羨ましくなってきます。
見学コースでは、スマートフォンから無料で聞ける音声ガイドもあるので、建物や歴史の知識がなくても楽しめるようになっています。レトロ建築好きはもちろん、ヨーロッパ旅行をしているかのような非日常を楽しめる「明治生命館」。吸塵バルブ(掃除機用の穴)やシャッター操作盤、消火栓など、一周した後、もう一周してじっくり細かいところを見直したくなる、そして数日経つとまた行きたくなる、魅力あふれる建物でした!
明治生命館 一般公開
開館:9:30~19:00(最終入館18:30)
休館:月曜(祝休日は開館し翌平日休館)、12月31日~1月3日、建物定期点検日
入館料:無料
※臨時の休館・開館時間変更の場合あり
明治安田CAFE 丸の内
営業時間:10:30~18:30(最終注文18:00)
休業:月・火曜、12月31日~1月3日、建物定期点検日
※臨時休業・営業時間変更の場合あり
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