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4年前に登場した「黄色いフェラーリ」が新車価格の6倍で落札!? なぜ「デイトナSP3」は高騰したのか

フェラーリが自社で保有していた特別な来歴を持つ1台

 2026年10月31日に英国ロンドンで開催されたRMサザビーズのオークションで、2022年式フェラーリ「デイトナSP3」が816万1250ポンド(約16億3000万円)で落札されました。

 事前の予想落札価格は750万〜950万ポンド(日本円で約15億円から19億円)。予想の範囲内での落札となり、上限には届かなかったものの、最終的には約16億円という驚くべき結果となりました。

 今回の個体は、単なる希少な限定車ではありません。フェラーリが開発車両として製作し、その後、広報・メディア向けの試乗車として自社で保有していたという特別な来歴を持っています。

オークションで高値落札された2022年式フェラーリ「デイトナSP3」Alex Penfold(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションで高値落札された2022年式フェラーリ「デイトナSP3」Alex Penfold(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 デイトナSP3は、フェラーリの特別限定シリーズ「イコナ」の第3弾として2021年に発表されました。1967年のデイトナ24時間レースでフェラーリが達成した1-2-3フィニッシュにちなんだモデルで、1960年代のレーシングプロトタイプをモチーフとしたデザインが特徴です。

 パワーユニットは6.5リッターV型12気筒自然吸気エンジンで、最高出力は829馬力。7速デュアルクラッチトランスミッションを介して後輪を駆動し、0-100km/h加速は2.85秒を実現します。ハイブリッドシステムを搭載しない純粋な内燃機関のスーパーカーであることも、大きな魅力です。

 生産台数は顧客向け599台。新車時の価格は約200万ユーロ(当時の為替レートで約2億6000万円)とされ、購入できるのもフェラーリが選んだ限られた顧客だけでした。

 今回の出品車は2022年6月に完成した左ハンドル仕様の開発車両です。カーボンモノコックには「Vettura Di Sviluppo(開発車両)」を示すプレートが取り付けられています。

 その後、フェラーリの広報車として活躍し、『モータースポーツマガジン』『カー・アンド・ドライバー』『ロード&トラック』などの試乗記事に登場。さらに英国の人気自動車番組『トップ・ギア』でも紹介されました。

 ボディカラーは3層塗装の特別色ジアッロ・トリプロ・ストラート。インテリアはロッソ・フェラーリのレザーで仕立てられ、カーボン製ルーフや下部ボディパネル、エアブラシ仕上げのスクーデリア・フェラーリのシールドなども備えています。走行距離は2948マイル(約4743km)でした。

 2025年3月に初めて個人オーナーへ渡り、今回が初の公開オークション出品となりました。

オークションで高値落札された2022年式フェラーリ「デイトナSP3」Alex Penfold(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションで高値落札された2022年式フェラーリ「デイトナSP3」Alex Penfold(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 では、なぜこれほど高額になったのでしょうか。

 まず、599台という生産台数の少なさに加え、自然吸気V12エンジンを搭載する現代のフェラーリという希少性があります。さらに今回の個体には、メーカーの開発車両として誕生し、世界的な自動車メディアに登場したという、ほかのデイトナSP3にはないストーリーがあります。

 フェラーリ自身が選んだ特別なカラーリングや装備も含め、メーカーの歴史に残る一台として評価されたのでしょう。

 ただし、今回の816万1250ポンドという結果は、事前の予想落札価格を超えたものではありません。上限の950万ポンドには届かず、予想レンジの下寄りで決着しています。

 それでも新車時の価格を大きく上回る約16億円という落札結果は、現代フェラーリの限定モデルに対するコレクターの関心の高さを物語っています。

Gallery 【画像】超カッコいい!フェラーリ「デイトナSP3」を写真で見る(23枚)

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