「時速500キロに一番乗り!?」ブガッティ「シロン・スーパースポーツ」の4億円オーバーの価値とは
市販モデルで500km/h達成を目指すブガッティ
ブガッティ「シロン・スーパースポーツ300+」。それは最高速で300マイル(480km/h)の壁を超えた、唯一のプロダクションモデルだった。正確に記録した最高速は490.484km/h。
この瞬間から、最高速戦争の目標値は500km/hという数字へと新たに書き換えられることになったのだ。1970年代、フェラーリ「512BB」とランボルギーニ「カウンタック」が300km/h以上の最高速を競ってから約40年。スーパーカーの上にはいつしかハイパーカーと呼ばれるセグメントが誕生し、それらは虎視眈々とこの500km/hの壁を狙っている。
その挑戦のためにより先進的なハイパースポーツを開発したのは、やはりブガッティだった。ブガッティが得意とするこのような極端な速度での走行を、安全・快適、そして信頼できるものにするためには、エンジンはもちろんのこと、車体やシャシなど多くの変更を加える必要があった。
ブガッティのエンジニアは、さらに細部にまで気を配り、技術的な完成度を追求して1台の究極的なハイパーカー「「シロン・スーパースポーツ」を開発したのだ。
開発チームにまず与えられた課題は、400km/hを超えた領域でもバランスの取れた安全なドライブを実現すること。そのためにもっとも重要なのはエアロダイナミクスのさらなる最適化であり、チームはボディ側面の乱流を最小限に抑えるためにウイングと同様に新しく開発されたエアカーテンを前面に統合。これによってフロントコーナーまわりのエアを最適な流れでサイドに誘導できるようになった。いわば速度によって作られる理想的なスキンが完成したのである。フロントフェンダーのアーチに追加された新たな排気口も、エアバランスをさらに高めるのに役立つという。
フロントアーチ上の9つのエアアウトレットは、1990年代の象徴的なスーパースポーツ「EB110」のスタイルを連想させるものだが、もちろんそれにも確かな機能がある。このアウトレットは380km/hの速度で約20−30kgのダウンフォースを生成。それによってすべてのダウンフォースの発生源のバランスを取ることが可能になったとブガッティは説明する。
カーボン製のフロントウイングの重さは約4kg。アーチ上の9個の円形ベントは視覚的には同じものに見えるが、実際にはそれぞれ異なるサイズで設計されている。
●エアロダイナミクス向上のためにロングテール化
リアセクションの変化は激しい。最初に気づくのはテールセクションが250mm延長されていることで、いわゆるロングテールのスタイルを採用していること。これによって高速域では、ボディの上部と下部を流れてきたエアが、可能なかぎり小さな分離領域を生成することが保証される。ブガッティは、ダウンフォースとリフティングフォースのバランスを取るために、ディフューザーのサイズを拡大。リアウイングとディフューザーのパフォーマンスをより正確に調節した。そしてもちろんドライビングモードによって、ウイングとディフューザーの組み合わせによるエアロダイナミクスのバランスは最適な設定に変化する。
ハンドリングモードでは、リアウイングのブレードが23mm延長され、それによって面積が8%増加。エアブレーキははるかに効果的に機能するようになる一方、トップスピードモードではリアウイングはほぼ完全に格納され、ロングテールのデザインコンセプトによる抵抗の少ない高効率な走りが楽しめる。それはまた400km/h以上の速度域でタイヤに過度なダウンフォースをかけないようにするための対応策でもある。
リアのディフューザーも再設計され、長さは約23mm増加した。排気セクションは中央から側面に移動し、2本のテールパイプは上下に配置。ディフューザーの合計サイズは従来のものと比較して32mm増加したという。
チタン3Dプリントプロセスで作られた排気システムも技術的には大きな見どころのひとつ。非常に薄い二重壁構造を持ち、排気はさらに温度が低下し、周囲のカーボンパーツを熱から保護するためにも、これは有効に機能している。
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