ランボルギーニ・ジャパンのダビデ氏に訊く「アヴェンタドール」と「ウラカン」の有終の美【VAGUEから10の質問(前編)】
引き続き2022年は内燃機関を祝う1年となる
インタビュアー:山崎元裕
まとめ:西山嘉彦
2020年9月にランボルギーニ・ジャパンの新代表に就任したダビデ・スフレコラ氏に、VAGUEが単独インタビュー。コロナ禍におけるランボルギーニの好調なセールスを支えた理由や2022年の販売戦略、そして「アヴェンタドール」と「ウラカン」の最終モデルについて尋ねてきました。
●Question 1:ランボルギーニが考える日本市場とは
──ランボルギーニにとっての日本の市場規模はどれくらいだとお考えですか。また、日本という市場はどのような特性があるとお考えでしょうか。日本のランボルギーニオーナーとファンは、世界的に見てもユニークだと思いますが、どのような印象をお持ちですか。
「市場の規模については、何を持って市場とするのかという見方にもよると思います。ランボルギーニにはいくつかのモデルがあり、我々が競合相手をどう見るかにもよって変わります。一応、私たちが考えている市場規模は、日本では年間5000台と捉えています。(※注:2020年の日本におけるランボルギーニの販売台数は600台なので、ランボルギーニが想定している市場規模の13%近くを占めていることになる)
日本のカスタマーはとても独特です。その一番の理由は──だからこそ私が日本市場をすごく好きなのですが──非常に洗練されているということがありますね。あと、伝統や歴史を愛で、それを当たり前ではなく高く評価してくれます。そうした姿勢は、私たちのブランドだけでなく、一般的に自動車ブランドの歴史を重んじている特徴として挙げられると思います。
いま、日本人のカスタマーは洗練されていると話しましたが、洗練というのは、“クラフトマンシップ”を高く評価したり、細部にまで目を配ってそれを愛でるということにも通じます。
ランボルギーニは伝統と歴史を持ち、クラフトマンシップを誇ることができ、細部にまで目を配るブランドだからこそ、日本のマーケットで受け入れられるのだと考えています。
逆に、だからこそ日本のカスタマーの皆様は、サービスクオリティに対する期待値もとても高くて、最高のサービスを望んでいらっしゃいます。ランボルギーニとして、そのことは十分認識しているので、お客様の期待に応えられるサービスを提供できるようコミットしています」
●Question 2:コロナ禍でどうして好調だったのか
──ランボルギーニは北米、ヨーロッパ/中東、アジアパシフィックの3つの市場でとてもバランス良く展開していますが、それは今も変わっていませんか。またコロナ禍による影響も関係なく好調なセールスを保っているのは、3つにマーケットを分散させていることが功を奏しているのでしょうか。
「もちろん今でもそうですし、私たちもなるべく均等になるように心がけています。どの地域のカスタマーにも、等しく平等に商品、サービスを届けたいと思っています。また、ひとつの地域に過剰に投資するより、地理的に分散している方がよいだろうという判断もあります。
こうした判断が現在の好調をキープしている理由のひとつであることは間違いありませんが、それだけではありません。
たゆまないクオリティの追求がカスタマーの皆様に認められていることもあるでしょうし、我々が戦っている市場が、景気に左右されにくいニッチのマーケットであることも理由に挙げられるでしょう」
●Question 3:2022年の販売戦略とは
──2022年には一部限定モデルの12気筒モデルを除いて、販売できる12気筒モデルがないと思います。また、10気筒モデルのウラカンも似たような状況だと思いますが、こうした状況での日本での販売戦略を教えて下さい。
「日本の戦略といっても、グローバルな戦略と同じです。これからの2年(2021年と2022年)は、内燃機関のセレブレーションという位置づけにしています。2023年からハイブリッド化へと移行していきますが、とにかく2021年と2022年は内燃機関にフォーカスいたします。
具体的にどのようなことをするのかは、今の時点では開示できませんが、内燃機関のポテンシャルを最大限引き出す、“ビッグバン”のようなものを考えています。
ランボルギーニは内燃機関があったからこそ、歴史を刻んでこれましたし、現在のようなブランドに成長できたと思っています。逆にこれからの未来を占う上でも、内燃機関はとても大事なものだと思うので、この2年は内燃機関を祝うという期間になります。たとえば、昨年発表した『ウラカンSTO』や今夏発表した『アヴェンタドールLP780-4ウルティメ』などもそうです。このような商品戦略がそのまま販売戦略となります」
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