「ワーゲンバス」がサイケ感たっぷりに登場 どうして「タイプ2」はヒッピーの象徴なのか【MVの名車】
3つに大別されるワーゲンバスとは?
タイプIIには1969年に開催されたウッドストック・フェスティバルのイメージが色濃く残っている。フラワーカラーやピースマークがペイントされたタイプIIはヒッピーカルチャーの象徴にもなった。

1941年に販売がスタートし、2003年までに世界で2150万台以上が生産されたタイプI(ビートル)をベースに開発されたタイプII。一般的に“ワーゲンバス”と呼ばれるこのモデルは時代によって大きく3つに分類される。
■T1
1967年まで生産された“アーリーバス”と呼ばれる最初期モデル。2分割されたフロントウインドウやVラインの2トーンカラーが特徴。ファンはウインドウの数により15ウインドウ、21ウインドウなどと呼び分けている。
■T2a
1967年以降のワーゲンバスは、排ガス規制への対応を余儀なくされ、このタイミングでデザインが大きく変えられた。1967−1979年まで生産されたT2を一般的に“レイトバス”と呼ぶが、とくに1971年までのものを“アーリーレイト”と呼ぶ。特徴はフロントのウインカーがヘッドライトの下に設置されていること。
■T2b
T2の中でも1973年以降のものが“レイトレイト”。ヘッドライトの下にあったウインカーレンズが、ヘッドライト上部に移動した。
ウッドストックで一躍有名になったワーゲンバスは“アーリー”だが、「ダウン・アンダー」に登場するバスは“アーリーレイト”になる。
●いまや高級車になったワーゲンバス
ところで、砂漠の中をアーリーレイトのバスが走ってくるシーンだが、ここは「ダウン・アンダー」の歌詞に沿った演出となっている。
歌詞の冒頭に出てくる“fried-out Kombi”とは、ボロボロのワーゲンバスという意味。ブラジルではT2 Kombiとして2013年までワーゲンバスが生産されていた。Kombi、Hippieと韻を踏んだZombieはマリファナを表すスラングだ。
冒頭の歌詞からもサイケデリック感が伝わってくるが、「ダウン・アンダー」のリリースから40年経過した現在では、タイプIIを取り巻く環境は大きく変わってしまった。
世界的なヴィンテージカーブームによりタイプIIも価格が高騰。コーチビルダーのウェストファリアが仕上げたキャンピング仕様のタイプⅡは、状態のいいものだと1000万円オーバーの値が付くことも珍しくない。かつてヒッピー文化の象徴だったモデルは、今や高級車の部類に入ってしまった。
しかも日本には比較的状態がいい中古車があるため、それらが海外に流出しているのだ。かつて多くの人がその世界観に憧れ日本に輸入されたタイプIIが、どんどん日本から出ていく。皮肉な話だ。
ワーゲンバスが砂漠を走るミュージックビデオを【動画】で見る
●Men At Work – Down Under(Video)
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