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日本のモノづくり「課題解決のヒント」はマッサージチェアにあり!? 匠のもみワザをロボティクス技術で追求

ロボティクス技術でマッサージのプロのワザを追求

 1969年に初号機を世に送り出して以降、半世紀以上にわたって進化を続けているパナソニックのマッサージチェア。その最新モデル「リアルプロ EP-MA103」は、マッサージのプロの“親指の動き”を、マッサージチェアで再現することを目指したといいます。

ロボット工学を応用したパナソニック独自の3D独立駆動技術“3Dモミメカ”
ロボット工学を応用したパナソニック独自の3D独立駆動技術“3Dモミメカ”

 モノづくり大国と呼ばれて久しい日本ですが、製造業の現場では少子高齢化にともなう人材不足という課題をなかなか払拭できずにいます。なかでも、後継者不足と並ぶ課題のひとつとして挙げられているのが、モノづくりの匠たちのワザをデジタル化やデータ化することの難しさでしょう。

 たとえば、とある自動車メーカーでは、10年ほど前から“トップガン”と呼ばれるテストドライバーが評価を導き出すための感性などをデータ化することに挑戦してきましたが、いまだ完全なるデータ化、デジタル化には至っていません。それどころか、そうした動きに逆行するかのように、「最終的な評価はテストドライバーなどの“人”が下す」といったアナログ要素を、積極的にクルマづくりに採り入れるメーカーが増えています。

 一部の業種では、そうした課題の解決方法のひとつとしてAI技術を採り入れ始めた企業も見受けられます。しかし、すべての業種、すべての企業で同様に導入・実行するのは難しく、なかなか解決策を見出せずにいる業界が多いというのが実情です。

 そうした課題に直面しているモノづくりの世界にあって、パナソニックのマッサージチェア「リアルプロ」シリーズは以前から、巧みなロボティクス技術でマッサージのプロのテクニックを追求。匠のワザのデジタル化、データ化に挑んできました。

 ちなみに、2012年に登場したモデルの段階で、人の手と同レベルという緻密な動きの再現に成功。そのあまりの精巧さから、“モミ玉”と呼ばれるローラー部分に筆ペンをつけ、ペンタブレットで入力した文字を記す“モミ玉習字”なるデモンストレーションを披露してみせたほどでした。

マッサージのプロたちの“親指の動き”=匠のワザを巧みに追求したパナソニック製マッサージチェアの最新モデル「リアルプロ EP-MA103」
マッサージのプロたちの“親指の動き”=匠のワザを巧みに追求したパナソニック製マッサージチェアの最新モデル「リアルプロ EP-MA103」

「マッサージチェアの最上位機種『リアルプロ』シリーズは2001年に登場したのですが、初代の頃からマッサージのプロの方の技術や指の動きをいかに再現するかにこだわって開発してきました。

 開発では、実際にマッサージ師さんの親指や体にセンサーをつけ、力のかかり方などを測りながら、どんな動きをされているのか、どのようにコリをほぐされているのかを地道に測定、検証していきました」

 このように「リアルプロ」シリーズ登場時の現場の様子を振り返るのは、パナソニックで長年、マッサージチェアに携わっているヘルシーブランドマネジメント部 ヘルシー商品企画課の原貴弘さん。そうした開発過程の中で大きなターニングポイントとなったのが、2005年に実用化した技術“3Dモミメカ”だったと原さんは話します。

「『リアルプロ』シリーズのコンセプトは、マッサージ師の方の動きをより忠実に再現すること。そのためには、ロボットなどと同じようにX軸、Y軸、Z軸の動きをそれぞれ独立して細かく制御する必要があるだろうとの結論に達しました。

 こうして、ロボット工学を応用した3D独立駆動技術“3Dモミメカ”を編み出したのですが、さらにそこへ、独自のモーター制御技術などを組み合わせることで、モミ玉が上下・左右・前後へと縦横無尽に動かせるようになったのです」

 こうして進化を遂げたモミ玉ですが、それを制御するのは非常に難しいのだとか。最新モデルが搭載する“PFCエンジンII”では、1秒間に2000回もの信号を発し、3つのモーターの動きを操っているといいます。

「ユーザーの方お一人おひとりに対し、X軸用、Y軸用、Z軸用の各モーターをタイミングよく動かすのは非常に難しいんです。基本的なプログラムはエンジンの中に盛り込んでいるのですが、ユーザーの方々はそれぞれ体重や背もたれへの寄りかかり方などが異なるため、モミ玉に加わる力が変化します。そのため、モミ玉にかかる力を瞬時に判断してフィードバックしながら、モミ玉を動かすモーターの駆動力などが常時、最適な状態になるように制御。この“感知してリアルタイムにフィードバックする”という制御こそ『リアルプロ』シリーズのキーテクノロジーといえます」(原さん)

 こうした技術の積み重ねにより、最新の「リアルプロ EP-MA103」ではマッサージのプロが繰り出す約10mm幅の繊細な親指の動きを巧みに再現。部位それぞれに適した168もの多彩なもみ技により、体のコリをピンポイントでほぐしてくれるようになりました。

「最新モデルはそうした動きの細かさはもちろんのこと、実際にマッサージを受ける際の流れ、たとえば、始めに背中全体を軽くほぐし、それから首から肩へとピンポイントでほぐしていくといった一連のプログラムも、マッサージのプロの方にヒアリングしながら研究し、盛り込んでいます」(原さん)

Next人の手の温もりがコリを心地よくほぐしていく
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