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フェラーリの最新車種「プロサングエ」の足回りにも活用! スーパーカーを陰で支えるマルチマティック社とは?

解析から開発・生産までおこなうカナダのエンジニアリング企業

 マルチマティック社と聞いて、ピンと来る人は相当なレース好きでしょう。

 レース車両の研究開発や製造、自動車メーカーの依頼を受けてのパーツ製造や車両生産受託までおこっているエンジニアリング企業です。本社はカナダ・オンタリオ州マーカムにあります。

フォードの限定スポーツモデル「GT」の生産もマルチマティック社でおこなわれた(C)Multimatic Inc.
フォードの限定スポーツモデル「GT」の生産もマルチマティック社でおこなわれた(C)Multimatic Inc.

 レーシングカーでは、フォードやマツダのマシンをすでに手がけており、今後はポルシェがアメリカのIMSAスポーツカー選手権に参戦するLMDhクラスのレース車両を製作する予定になっています。

 一方、マルチマティック社が手掛ける市販車は、かなりスポーツ色が濃いものばかりです。たとえばアストンマーティンは、多くの“スペシャル”モデルの生産を委託。「ラゴンダタラフ」、「One-77」、「CC100」、「ヴァンキッシュ ザガート シューティングブレイク」、「ヴァルキリー」などはマルチマティック社が手がけたものです。そのほか、フォード「GT」、メルセデスAMG「ワン」など、そうそうたるスペシャルモデルを手がけています。

 それらはもちろん“共同開発車”ではあるのですが、マルチマティック社が開発や生産に携わっていることを大々的にうたっていいという契約になっていることは興味深いところです。一般的に、マルチマティック社のような会社は黒子に徹するケースが多いのですが、こうして公にできる契約にすることで、同社のマーケティング活動にもつながるのでしょう。

 気になったのでもっと調べてみたところ、ケーターハム「スーパー7」の足回り解析や、RUF「CTR3」が採用したリアサスペンションもマルチマティック社が過去に手がけたものでした。いずれもスポーツカーブランドとして名だたるところばかりなので、おのずとマルチマティック社のイメージも良化しますね。

●フェラーリが製品の採用をうたうほどの信頼性

 ブランドの管理に関しては、どの自動車メーカーよりも厳しいとされるフェラーリでさえ、新型車である「プロサングエ」がマルチマティック社の“TASV(トゥルーアクティブ・スプール・バブル)ダンパー”システムを採用したことをうたっているほどです。

 フェラーリのプロサングエは初めて“フェラーリ・アクティブ・サスペンション・テクノロジー(FAST)”システムを搭載しています。そして、このFASTを支えているのがマルチマティック社のTASVダンパーシステムなのです。

 TASVダンパーシステムの内部には2基のスプールバルブが搭載され、圧縮と伸縮を独立制御することで、あらゆる走行条件において正確で予測可能なコントロール性を実現しています。つまり、路面からの入力とドライバーからの入力を受けて、サスペンションの動きを最適に制御するよう設計されています。

 フェラーリにしては車高が高いプロサングエですが、あらゆる状況下で最適なハンドリングと乗り心地を実現させているといわれています。その足元を支えるのは、マルチマティック社の技術だったんですね。

 マルチマティック社は日本にもプロダクトサービス拠点を構えているので、そのうち日本車でも採用例をうたう車種が出てきたとしても驚きではありません。いやもしかしたら、我々の知らないところで、すでに採用され始めているのかもしれませんね。ちょっと気になる存在です。

Gallery 【画像】カナダのエンジニアリング企業・マルチマティック社発のスーパーカーを見る(11枚)
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