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なぜ日産「フェアレディZ」は心ときめくのか? デザインと走り味で所有欲を満たすスポーツカーの真価とは

乗る前の予想を覆す優しい乗り心地

 新型「フェアレディZ」はワインディングでもよく曲がってくれる一方、操縦安定性のレベルも高い。

公道にジャストフィットなエンジンとフットワーク、そして、ひと目見てカッコいいと感じるルックスが魅力的な日産の新型「フェアレディZ」
公道にジャストフィットなエンジンとフットワーク、そして、ひと目見てカッコいいと感じるルックスが魅力的な日産の新型「フェアレディZ」

  V型6気筒エンジンをフロントに搭載しているとは信じられないほどシャープに曲がる感覚は、タイトコーナーもある公道のワインディングの方が顕著に感じられる。シャープだからといって過敏すぎることなく、実になめらか。いうなれば、曲がり方が美しい。新型「フェアレディZ」は峠道でも楽しく走れるクルマだ。

 さらに驚いたのは、乗り心地が優しいことだ。

 新しい「フェアレディZ」は405psという強心臓を搭載する。それを受け止めるために大径の重いタイヤ&ホイールを履き、しかも、電子制御式の可変ダンパーなどは搭載していない。だから乗り心地が硬いと予想するのは当然だ。

 しかし「フェアレディZ」は、そんな筆者の予想をあざ笑うかのように乗り心地がよかった。走行中の車体はフラットに保たれ、その上、舗装の凹凸を乗り越えたときのカドのある突き上げや車体の細かい揺れも少ない。「スポーツカーだから乗り心地はガマンしなくちゃ」なんて図式は、新型フェアレディZには当てはまらない。日産自動車の開発陣は本当にいい仕事をしたと思う。

●スタイルだけで所有欲をかき立てられる

 あらためて新型「フェアレディZ」に触れてみて、ひとつ感動したことがある。それはデザインの再現性だ。

 2020年の「プロトタイプ」公開に始まり、筆者は新型「フェアレディZ」のデザインを何度となく見てきた。そのたびに「カッコいいデザインだなぁ」と思っていたのだが、あらためてナンバーがついた新型に触れても、やはりカッコいいのである。

 新型の話題の中心は“Z史上最強のパワフルなエンジン”だが、もうひとつのハイライトはこのデザイン。むしろ、中身の善し悪しは関係なく、このスタイルだけで所有欲をかき立てられる。

 正直にいって、新型「フェアレディZ」の405psというハイパワーを公道で使い切ることは不可能だ。でも、筆者はそれでいいと思う。ひと目見てカッコいいなと思わせるスタイルと、刺激的な音と躍動的なエンジンで楽しませてくれるドライブフィール。難しい理屈を重ねなくても、そのふたつだけで所有欲を満たしてくれる新型「フェアレディZ」は、素晴らしいスポーツカーだと思う。

 スポーツカーの“当たり年”に登場した新型「フェアレディZ」。それは歴史に残る1台であり、そして、オーナーを幸せにしてくれる1台であることは疑いようがない。

●NISSAN FAIRLADY Z Version ST
日産 フェアレディZ バージョンST
・車両価格(消費税込):646万2500円
・全長:4380mm
・全幅:1845mm
・全高:1315mm
・ホイールベース:2550mm
・車両重量:1590kg(MT)
・エンジン形式:V型6気筒DOHCターボ
・排気量:2997cc
・駆動方式:後輪駆動
・最高出力:405ps/6400rpm
・最大トルク:475Nm/1600〜5600rpm
・燃料消費率(WLTC):9.5km/L
・サスペンション:(前)ダブルウイッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)255/40R19、(後)275/35R19

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