ソニー&ホンダの「アフィーラ」にも搭載 クルマの技術で最近よく聞く「OTA」って何?
今後は「クルマを売っておしまい」のビジネスは成り立たなくなっていく
このOTAの活用は、状況次第で購入時では考えられなかった新機能が追加することも可能になります。
特に航続距離を伸ばしたり、安全上の機能についてもアップデートが容易になるという意味で、電動車(EVやPHEV)との相性はもっとも良いと言えます。

これを積極的に進めているのがテスラで、すでに安全運転支援機能「オートパイロット」の更新はOTAによるソフトウェアのアップデートによって行われています。同社は自動運転機能についても今後のバージョンアップによって対応できると豪語しているほどです。
また、米国ラスベガスで2023年1月に開催されたCES2023で発表されたコンセプトカーは、すべてが電動車ということもあり、どれもこのOTAに対応済みでした。
もちろん、ソニー・ホンダモビリティのEVプロトタイプ「AFEELA(アフィーラ)」もこれに対応していたのは言うまでもありません。むしろ、AFEELAではこの機能を売りのポイントとしているほどなのです。
こうした状況から、これから先、OTAに対応できない電動車は競争力さえ失うといっても過言ではないでしょう。
それだけに自動車メーカーはDCMの搭載を進めています。トヨタはレクサス「LS500h」やトヨタ「MIRAI」「ノア/ヴォクシー」でOTAを活用していく計画。ホンダも自動運転レベル3を世界で初めて認証を受けたホンダ「レジェンド」で対応を果たしました。
ただ、OTAはセキュリティ上の懸念もあります。ハッカーがネットワークに介入してそれが成功すると、対象のクルマが悪意のあるプログラムで更新されてしまう可能性があるのです。
そうなると社会は大混乱に陥ります。そのため、こうした自動車サイバーセキュリティの脅威に対する規制やその取り組みの標準化に向けた動きが世界中で進み始めているところです。
その動きの中核となっているのが、国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(UN/ECE WP29)です。ここでは自動車メーカーだけにとどまらず、パーツを供給するサプライヤーにおいても型式認証を踏まえたサイバーセキュリティ管理システムの実装が求められています。
すでにEUではこれらが要件として義務化されており、日本では2022年生産開始車両から法規対応が必須となり、セキュリテイ規格は2025年ごろ義務化されると言われています。
こうした動きを受け、たとえばインフォテイメントシステムで全世界の半数以上のシェアを持つカナダのBlackBerryは、同社が開発した「BlackBerry QNX」のプラットフォームでセキュアな車載ソフト管理サービスをOTAで対応する管理サービスを展開しています。また、日立アステモではワンストップでWP29に対応したセキュリティサービスを提供できる体制を準備しているそうです。
こうした状況を踏まえれば、今後はOTAの普及に伴い、グローバルでのサイバーセキュリティ対策が欠かせなくなっていくのは確実です。まさに、“クルマを売っておしまい”だった自動車販売のビジネスは、もはや成り立たなくなつつある。そんな時代が訪れようとしているのです。
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