VAGUE(ヴァーグ)

47年前の個体なのに走行1803キロの“ほぼ新車”「世界でもっとも保存状態の良い」カウンタックがオークションに登場 塗装やタイヤまですべてオリジナルの「LP400S」の価値は

ガンディーニによるオリジナルのシルエットが保たれた1台

 ランボルギーニを代表するスーパーカーが「カウンタック」です。そのなかでも、わずか50台しか生産されなかった初期型「LP400S シリーズI」が、RMサザビーズのモントレー・オークションに出品されます。

 今回の個体は走行距離が約1803kmと極めて少なく、さらに新車時の塗装やインテリア、タイヤまで残した非常にオリジナル度の高い1台です。

 RMサザビーズでは、シリーズIのなかでも「世界でもっとも保存状態の良い個体のひとつ」と評価しています。

オークションに出品予定の1979年式ランボルギーニ「カウンタックLP400S シリーズI」Jeremy Cliff(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品予定の1979年式ランボルギーニ「カウンタックLP400S シリーズI」Jeremy Cliff(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 カウンタックは1971年のジュネーブ・モーターショーで発表され、1974年に市販モデルの「LP400」が登場しました。

 ベルトーネのマルチェロ・ガンディーニが手がけたウェッジシェイプのボディに、ミッド/リアに搭載されたV型12気筒エンジン、そして特徴的なシザードアを組み合わせたスタイリングは、それまでのスーパーカーとは一線を画すものでした。

 そのカウンタックを発展させたモデルとして、1978年のジュネーブ・ショーで登場したのが「LP400S」です。

 基本的なメカニズムはLP400を踏襲しながら、外観は大幅に変化しました。とくに目を引くのが大型化されたホイールアーチで、ワイド化されたタイヤとホイールを収めるために、迫力あるスタイルへと進化しています。また、サスペンションも低く設定され、路面に張り付くような姿勢を実現しました。

 LP400SはシリーズI、II、IIIの3つに分けられ、合計生産台数は238台。そのなかでも最初期のシリーズIはわずか50台です。

 シリーズIには45mm径のウェーバー・ツインチョークキャブレターや小型のスチュワート・ワーナー製メーター、そしてマグネシウム製のカンパニョーロ「ブラボー」ホイールが採用されました。これらの装備は、後のカウンタックの特徴へと発展していく重要な要素でもあります。

 今回のシャシナンバー1121086は、1979年7月にイタリア・ローマのディーラーに出荷された個体です。ボディはロッソ、インテリアはネロという、いかにもイタリアン・スーパーカーらしい組み合わせで仕上げられていました。

 その後、米国へ輸出される際には現地の法規に適合させるための作業が行われましたが、変更は極めて限定的でした。フロントとリアのサイドリフレクターを延長した程度で、ボディへの大掛かりな加工は行われていません。さらに、米国仕様の補助バンパーも追加されなかったため、ガンディーニによるオリジナルの美しいシルエットが保たれています。

 1980年にEPAの認証を取得した後、ミシガン州のコレクターへ納車されました。このオーナーは約20年間所有し、その間の走行距離は極めて少なかったといいます。1999年にインディアナ州の愛好家へ渡り、翌2000年にはカナダ・アルバータ州の著名なコレクターが購入。この時点で走行距離はわずか1018kmだったと記録されています。

 その後もこのカウンタックは一般公開されることなく、コレクターのもとで静かに保管されてきました。現在も新車時のボディカラー、インテリア、ピレリP7タイヤを維持しており、カタログ掲載時の走行距離は約1803kmです。まさに1970年代末のカウンタックが、そのまま時間を止めたような状態といえます。

オークションに出品予定の1979年式ランボルギーニ「カウンタックLP400S シリーズI」Jeremy Cliff(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品予定の1979年式ランボルギーニ「カウンタックLP400S シリーズI」Jeremy Cliff(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 今回のRMサザビーズでは、この1979年式LP400S シリーズIの落札予想価格を220万~260万ドル(日本円で約3億5046万円から約4億1418万円)としています。これは現在のカウンタック市場でも非常に高い水準ですが、「シリーズI」「50台限定」「低走行」「オリジナル状態」という条件を考えれば、十分に注目すべき価格設定です。

 カウンタックは後年のLP500 Sや25th Anniversaryなども高い人気を誇りますが、コレクターの間では、ガンディーニのオリジナルデザインを色濃く残しながらワイドなボディを得た初期LP400Sも特別な存在です。

 今回の個体は、そのなかでも保存状態とオリジナル度が際立っています。半世紀近く前に生まれたスーパーカーが、ほぼ新車時の姿を保ったまま現れるだけに、モントレーでどこまで評価を伸ばすのか、大いに注目される1台です。

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