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本当は“911サファリ”を名乗るはずだった!? ポルシェ「911ダカール」の名前に隠された秘密とは

往年のラリーカーを想起させるカラーリングも用意

 2022年の終わりから受注を開始したポルシェ「911ダカール」。往年の「911」のラリーカーを想起させるルックスは、熱狂的なポルシェファンを歓喜させています。

日本では2022年11月に予約受付がスタートしたポルシェ「911ダカール」。世界限定2500台で車両本体価格は税込3099万円
日本では2022年11月に予約受付がスタートしたポルシェ「911ダカール」。世界限定2500台で車両本体価格は税込3099万円

 そんな911ダカールには、オプションではありますが、1984年のパリ・ダカール・ラリー優勝マシンをイメージしたカラーリングを施した「ラリーデザイン パッケージ」が設定されています。

 このラリーデザイン パッケージは、ホワイト/ジェンシャンブルーメタリックのツートンカラー仕上げが基本で、レッドとゴールドのデコラティブストライプと合わせ、いわゆる“ロスマンズカラー”に仕上がっています。

 そして左右のドアには、“Roughroads”文字が。Roughroadsとはきっと、オフロードとロスマンズをかけたものでしょう。さらに車両のサイドには、1から999までのカーナンバーを選択することができます。

 そんな911ダカールに、先ごろ、サファリラリーにおける活躍をオマージュしたオプション「デカールセット」が追加されました。ポルシェは1984年にパリ・ダカール・ラリーへと参戦するよりも昔の1970年代、東アフリカ・サファリラリーに参戦。1971年、1974年、1978年に出走した911はそれぞれ健闘し、その活躍が1984年のパリ・ダカールラリー総合優勝につながったといっても過言ではありません。

 往年の911ファンは、911のオフロード仕様のことを“911サファリ”と呼んできましたし、ポルシェも911ダカールの開発段階におけるプロモーションでは911サファリと連呼していました。にもかかわらず、911サファリではなく911ダカールとなった背景には、実は大きな理由があったのです。

●“サファリ”を名乗る許可が下りなかった!?

 実はサファリという名称は、インドのタタ・モーターズが多くの国で商標登録していました。

 ポルシェは名称の使用許可を得るべくタタにアプローチしたそうですが、「拒否された」と、アメリカの自動車情報サイトを運営するエドマンズが報じています。もっとも日本だと、「サファリ」という名称は日産が商標登録していますが……。

 そのためポルシェは、パリ・ダカール・ラリーにちなんで911ダカールという名称を選択したそうです。

 ただし、ダカールという名称も、地名であるにもかかわらず自動車関連として商標登録されていました。ちなみに日本でも、2005年から商標登録されています。登録しているのは、フランスのアモリー・スポーツ・オーガニゼイション(Amaury Sport Organisation)、通称A.S.O.(エイ・エス・オー)というパリ・ダカール・ラリーを主催している団体です。

 それにしても、A.S.Oの抜かりなさスゴいですね。そのためポルシェは、A.S.Oに使用許可を得て911ダカールと名づけたわけです。もちろん、有償だったとのこと。

 ちなみに911ダカールの開発は、先代の911である“991型”から始まっていたそうです。当初は2000台の販売を予定していたそうですが、なかなか経営陣からゴーサインが出ず、ベースモデルが現行の“992型”へとモデルチェンジしてしまったのだとか。そこで開発現場は「開発コストを回収するために2500台販売する」と主張し、経営陣を納得させたそうです。

 ポルシェのオフィシャルYouTubeでたびたび911サファリが取り上げられていたのは、ティザー広告の一環だったんですね。今後、911に継続的にサファリ仕様を投入するか否かは、911ダカールの売れ行きにかかっているそうです。

 現状、911でしかダカールという名称は使えないため、もし「カイエン」や「マカン」などの他モデルにサファリ仕様を投入する場合、また別の名称となるでしょう。その場合、あらためてタタ・モーターズへ名称使用許可をもらいに行くという手も残ってはいますが……。

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