標的はメルセデスGクラス!? BMW「Mモデル」初の電動SUV「XM」はデザインも走りもすべてがインパクト大
どの角度から見ても退屈しない刺激的なルックス
BMWがSAV(スポーツ アクティビティ ヴィークル)と呼ぶ「Xモデル」の最高峰に位置する存在として誕生した「XM」。このブランニューモデルのターゲット層としてイメージしているのは、プロスポーツ選手やミュージシャンといったいわゆる“派手な職業の人たち”だという。ありていにいえば、メルセデスAMG「G63」に乗っているような層である。

目下、絶好調のハイエンドSUV市場において、BMWは「X7」の成功によって一定の存在感を示すことができているとはいえ、さらに上をねらうとなれば、例えばX7ベースのクーペSUVとして「X8」、あるいは「X8M」といったモデルを出すくらいでは足りない。そこで頼ったのが“M”バッジの威光だ。「Mモデル」として史上初の電動パワートレインの搭載、度肝を抜くような刺激的なデザインも相まって、よりインパクトのあるモデルを生み出そうとしたわけだ。
それにしても、XMのデザインは“キている”。真っ先に視界に飛び込んでくるのは、八角形の輪郭がクロームで縁取られた巨大なキドニーグリル。その両脇には、新型「7シリーズ」、そしてX7とも共通する上下2分割タイプのヘッドライトユニットが与えられている。サイズが大きいこともあり迫力はすさまじいものがあるが、実は夜になると“アイコニック・グロー・キドニー・グリル”は輪郭が発光。ネオンの洪水の中でも埋没しないような存在感を発揮する。
ルーフ高を下げながらもリアウインドウの傾斜を強め過ぎないクーペフォルムは、「X2」辺りとの親和性を感じさせるものだが、3列シートのX7と同等のホイールベース、23インチの大径タイヤなどのおかげで押し出しはケタ違いに強い。その上、サイドウインドウ周縁のアクセントバンド、各部のゴールドアクセント、幾何学的なディテールなどが「これでもか!」とアピールしてくるから、とにかくどの向き、どの角度から見ても退屈することはない。
内装で注目してしまうのはリアシートだ。この空間は“Mラウンジ”と名づけられていて、長いホイールベースのおかげでゆったりとしたスペースを確保。トリムにはビンテージ調レザーを選ぶこともできて、とてもくつろげる。着座してルーフを見上げれば、ボコボコとした手ざわりの“3Dプリズムルーフライニング”と、その両側に埋め込まれたアンビエントLEDが妖しい世界へと誘う。
もちろん、Mモデルだけに走りを忘れることはない。ドライバーズシートに座ると、正面には見慣れた円形の、そして“M1”、“M2”のモードスイッチが付いたステアリングホイール。シフトパドルは大きく、センターコンソールには最近のBMW車が撤廃しているセレクターレバーがちゃんと残されている。“BMWカーブドディスプレイ”も、表示はMモデル専用だ。

走り出す前にハードウェアに触れておこう。パワートレインはMモデル初のプラグインハイブリッド。お馴染み4.4リッターV型8気筒ツインターボエンジンに、8速ATに電気モーターを内蔵した“Mハイブリッド”を組み合わせる。スペックはシステム全体で最高出力653ps、最大トルク800Nmときわめて強力。余裕あるモーター出力を活かしてEVのみでの走行も可能で、最長で80kmはエンジンをかけずに走ることができる。
シャシーには、これもMモデル初採用の“インテグラルアクティブ・ステアリング”や、48V電装系を使った可変スタビライザー“アクティブロールスタビリゼーション”、さらには“アダプティブMサスペンション・プロフェッショナル”、“Mスポーツディファレンシャル”などを装備する。エアスプリングを使わないのは、Mモデルらしくサーキットなどでの高負荷走行をリアルに見据えているからだ。
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