プレミアムブランドの底力を見た“レクサス初のEV専用車”「RZ」で味わえる格上のドライビング体験とは
スペックや動的質感、内外装の仕立ては全くの別物
レクサスにとって「RZ」は、「UX300e」に次ぐ第2弾、そして、専用設計の車台を持つモデルとしては初めての市販EV(電気自動車)となる。

とはいえクルマに詳しい方は、「プラットフォームはトヨタ『bZ4X』やスバル『ソルテラ』と同じやつでしょ?」と思われるだろう。確かに3モデルの基本骨格やホイールベースは同じだ。RZは現時点で詳しい数値が発表されていないが、おそらくトレッドも変わらないのではと思われる。
が、そこは他モデルと同様、レクサスならではの要求値に沿った変更が端々に加えられている。ボディ側では、“レーザースクリューウェルディング”や構造接着剤の多用に加えて、ホットスタンプやパッチワーク工法、発泡剤充填などを採用。構造面でもラジエターサポートやロアバック部の補強、リア開口部の二重環状構造化など、これでもかと補強が加えられている。さらに骨格部品単位での強化も含めると、果たしてbZ4X/ソルテラに対してどれほどの向上を見ているのか、エンジニア側は「数値データは持ち合わせていない」というが、おそらく相当なものだろう。
そこまで徹底してボディを固めた理由のひとつは、パワートレインもレクサス独自の仕様となるためだ。RZは4WDのみの設定となるが、そのアウトプットはbZ4X/ソルテラの4WDグレードとは異なっている。bZ4X/ソルテラは、前輪駆動車が150kWの1モーター仕様、4WDがフロント80kW、リア80kWの2モーター仕様となるが、RZはフロントに150kW、リアに80kWのモーターを搭載し、システム総合出力は230kW=312psを発揮する。欧州仕様のスペックでは、0-100km/h加速が5.6秒というから、その瞬発力は十分にスポーティと評せる領域だ。
こうして得られる独自のダイナミクスと、レクサスらしいコンフォートを両立させる目的で、RZは周波数感応型ダンパーをレクサスとしては初採用。リアタイヤのサイズを独自設定としたのは、スタビリティ確保とともに後軸側のゲインをより積極的に引き出そうというねらいがうかがえる。加えて、ボディの前後端にパフォーマンスダンパーを装着して車体のアコースティックを整えるなど、動的質感の追求もbZ4X/ソルテラとは一線を画している。
内装も基本骨格はbZ4X/ソルテラと共通ながら、意匠や仕立ては別物だ。質感や空間演出という面で、レクサスらしい世界観を備えたものとなっている。シートやドアトリム類は3マテリアル、3カラーの選択が可能となるが、バイオ素材を用いたウルトラスエードや質感の高い合成皮革“L-TEX”などを用いたレザーフリー内装を用意するなど、今日的な仕立てが提案されている点もユニークだ。
ハブボルトのリコールで初手からケチがついたものの、bZ4X/ソルテラの走りは内外のライバルに対しても同等以上のところに着けていたように思う。特に実用域の乗り心地や静かさなど、快適性の洗練ぶりはプレミアムブランドの同級モデルと比べても遜色はない。
前述のとおり、その素地をさらに磨き上げているRZの乗り味はともあれしなやかで、荒れた路面や凹凸を超えていっても突き上げるような衝撃や不快な残響は現れない。ボディの剛性感は強烈だが、極低速域からしっかりと減衰が立ち上がるサスペンションに加えて、パフォーマンスダンパーが車体に溜まる雑味を巧く取り除いてくれることもあって、濁りやザラつきのない、すっきりしたフィードバックを実現している。EVならではの低重心も寄与するとはいえ、転がりの上質さでいえば登場したばかりのSUV「RX」も上回りそうな勢いだ。
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