6速MTも選べるFRスポーツ BMW新型「M2」はどんなクルマか? 460馬力の直列6気筒ターボが生み出す走りとは
信頼感あるステアリングのおかげで臆せずコーナーへ飛び込める
試乗車は6速MT仕様。走り出してまずうれしくなったのは、その操作感がとても心地いいものになっていたことです。

BMWのMTは、それがMモデルであっても正直、グニャグニャと節度感にとぼしく、操作する歓びがあまり濃くはないと感じていたのですが、新しいM2ではゲート感が正確でカチッとした剛性感もあり、気持ちよく操作できます。
トヨタが「GRスープラ」にMT仕様を追加した際、BMWといっしょに心地いいシフトフィールを求めてチームをつくり開発したという話があったので、その恩恵が「Z4」だけでなくM2にも波及しているのかもしれません。経緯はともかく、これはあえてMTを選びたい人にとっては、何よりのプレゼントとなるでしょう。
もちろん、伝家の宝刀・ストレートシックスのパワーとスムーズネスも素晴らしいものがあります。回転が上昇するに連れて粒がそろってきて、サウンドも澄んでくるのでついつい回したくなります。実際のところ、トルクカーブはフラットで、低回転域から十分以上に力があるので、“しゃかりき”になって回さなくても速いのですが、回さずにはいられないのです。
フットワークのよさにも舌を巻きました。鮮烈なのはステアリングの正確さで、まさに針の穴に糸をとおすがごとく、きわめて精度の高いレスポンスを示します。初めて訪れたハイスピードのワインディングロードで、それなりの緊張感を持ってのドライブとなったのですが、このステアリングがもたらす信頼感のおかげで、臆することなくコーナーに飛び込んでいけたのです。
限界まで挑むようなことはできませんでしたが、先代に比べるとフロントの食いつきがよく感じられ、グイグイ曲げていくことができるという感触でした。それでいてリアが軽く感じられるようなことはなく、いったん曲がり始めれば挙動は、これぞニュートラルステアという感覚。ワインディングロードも十分に楽しく刺激的でしたが、この底知れないパフォーマンスに、やはりサーキットで試してみたいという衝動が芽生えてしまいました。

最新の電子制御デバイスが入っているわけではなく、その意味ではオールドスクールのFRスポーツであることは間違いありません。しかしながら、M社の持つ豊富なノウハウでじっくり煮詰められた走りは、「やっぱりコレだよな」と思わせる仕上がりとなっていて大いにうならされました。
なお日本向けのモデルは、8速ATと6速MTの両仕様がともに958万円(消費税込)で導入されます。従来モデルに比べての値上げ幅は決して大きくなく、しかもこのご時世にMTもそろうのは、BMWジャパンからのギフトというべきでしょう。いずれにせよ、先代に続いてのヒット作となるのは間違いなさそうです。
●BMW M2 COUPE
BMW M2クーペ
・車両価格(消費税込):958万円
・全長:4580mm
・全幅:1885mm
・全高:1410mm
・ホイールベース:2745mm
・車両重量:1730kg
・エンジン形式:直列6気筒DOHCツインターボ
・排気量:2992cc
・変速機:6速MT
・最高出力:460ps/6250rpm
・最大トルク:550Nm/2650〜5870rpm
・駆動方式:RWD
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ベンチレーテッドディスク
・タイヤ:(前)275/35R19、(後)285/30R20
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