ハーレーダビッドソン「バガースタイルの最高峰」の走りとは? 1923ccのVツインはツーリングが快適
382kgの重量級車体に1923ccの大排気量エンジンを搭載
ハーレーダビッドソンのラインナップは、「ナイトスター」や「スポーツスター」などのスポーツ系、「ブレイクアウト」などのクルーザー系、そして今回紹介する「ロードグライドST」などのツーリング系に大別できます。今回は“バガー”とも呼ばれるツーリング系モデルの注目モデル「ロードグライドST」に試乗しました。

ロードグライドSTの特徴はなんといっても、“Milwaukee-Eight 117”と呼ばれる同ブランド最大の排気量を誇る1923ccの空冷Vツインエンジン。168Nmという強大なトルクをわずか3500rpmで発揮します。
車体はバガースタイルの文脈にのっとり、大型のフロントフェアリングと左右のパニアケースを装備しています。車両重量は382kgとハーレーダビッドソンの中でも重量級。フロントフェアリングの内部には、メーターのほかに大型のインフォテイメントシステムやスピーカーも備えており、音楽を聴きながらツーリングを楽しむこともできます。
そして、これだけの排気量と車体サイズを誇りながら、標準状態ではタンデムシートがなく、ライダーしか乗れないという潔さに驚かされます。燃費効率やカーボンニュートラルという言葉など、どこ吹く風といった雰囲気。広大な大陸を旅するのに細かいことなど気にするな、ということなのでしょう。
●意外にも優れた運動性能を実感
重量級の車体は、乗り始めに不安がつきまとうもの。ロードグライドSTのシート高は715mmと低いため足つき性は良好ですが、視覚的に大きなボディは片足で支えるのもちょっと緊張感が伴います。ただし、実際に走り出してみると意外なことに重さは感じず、ゆっくり走り出しても低回転域のトルクが太いので、安定感は抜群です。
少し広い道に出てやや大きめにアクセルを開けると、ライダーを含めて400kgを超えているはずなのに、そんな重さをものともせず車体が加速します。しかも、ふたつの大きなピストンがエンジンの中で動いていることを感じさせる鼓動感とともにスピードが乗っていくので、その感覚は独特。ハーレーダビッドソン以外ではおそらく味わうことのできないフィーリングでしょう。
大型のフェアリングを装備しているので、高速域でもライダーには風がほとんど当たらず、長時間乗っていても疲れは少なそう。ギアが何速に入っていても、アクセルのひとひねりで他車を置き去りにする余裕があるので、細かいことなど気にならない大らかな気分でライドできます。
車体サイズは大きい割にバンクの動きも重くなく、ある程度、車体を寝かせてもどこかを擦ってしまうこともないため、峠道などでも気を使うことなくライディングを楽しめます。大きな車体とエンジンを操るのが楽しいため、つい遠回りしたくなりました。この車体に荷物を積み込み、大陸を何日もかけて旅したいと思わせてくれるモデルです。
実はアメリカでは、こうしたバガースタイルのモデルだけで競われる、その名も「キング・オブ・ザ・バガーズ」というレースが開催されています。もちろんレースは、フェアリングどころかパニアケースも装着したまま。そんなマシンがフルバンクでコーナーリングしながら争われるレースは、その迫力に驚かされます。
ロードグライドSTに試乗してみて、意外な運動性能の高さを感じながら、このサイズの車体を操ってサーキットを駆け抜けるライダーたちに尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。
●製品仕様
・価格(消費税込):394万6800円(ビビッドブラック)、403万4800円(モノトーン)
・全長:2405mm
・ホイールベース:1650mm
・重量:382kg
・エンジン:1923cc空冷V型2気筒
・最高出力:103hp/5450rpm
・最大トルク:168Nm/3500rpm
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