SUV発祥の地で鍛えられた“キャデラック4モデル”の実力とは? 大らかな乗り味と強烈な存在感がドライバーを魅了する
最もコンパクトなXT4と重量級旗艦のエスカレード
続いてステアリングを握ったのはXT4です。サイズは全長4605mm、全幅1875mm、全高1625mmで、キャデラックのSUVの中では最もコンパクトなモデル。トヨタ「RAV4」あたりとほぼ同じサイズ、と思っていただいていいでしょう。

搭載するエンジンは、最高出力230ps、最大トルク350Nmを発生する2リッターの直4ターボ。電子制御式のツインクラッチ4WDシステムを備えています。
XT6から乗り換えたため、ということもあるのでしょうが、走り始めての第一印象は、とにかくコンパクト。車体の大きさが気になることなんて一度もありませんでした。そして、とにかく軽快。XT6より350kgも軽いのでそう感じるのも当然ですが、エンジンがまた素晴らしい。3.6リッターV6に迫る最大トルクを1500回転から4000回転の間でキープし続けるのです。しかも、これまた回せば回すほど元気を増していくような活発なフィーリング。回すのが楽しい、鋭いパンチのあるエンジンなのです。
シャシーの方もガチガチにスポーティな仕立てではありませんが、そのエンジンにしっかりついてくるだけの実力を披露してくれるし、必要なときには巧みに後輪への駆動力配分を増やして押し出すような動きも見せてくれるので、元気よく走りたい気持ちがふくらんできます。まるでライトウエイトスポーツカーのよう、と表現したらいい過ぎですが、それくらい気持ちのいい走りを楽しむことができるモデルです。
ちなみにXT4は、「プレミアム」と「スポーツ」という2グレードとも試乗したのですが、トリムなどが異なる以外にも違いがあり、後者には電子制御の可変ダンパーが備わっています。
それぞれ一般道を20kmくらいずつ走ったのですが、どちらもワインディングロードが結構な割合を占めていたこともあり、余計に好印象に感じられたのかもしれません。もちろん、可変ダンパーつきの方が乗り味の幅を楽しむことができるわけですが、装備にも多少の違いがあれど80万円の価格差もあるわけで、それをどう考えるか。僕は可変しないベーシックなサスペンションでも十分に走りを楽しめたし、乗り心地も満足できるレベルだったので、個人的にはプレミアムかな、と思ってます。
そして最後にご紹介するのは、大型戦艦SUVのエスカレードです。ボディサイズは全長5400mm、全幅2065mm、全高1930mm。まさに「巨大」といっていいでしょう。日本車にはなぞらえることのできるモデルなどありません。

エスカレードの車重は2.7トン超え。それをしっかり走らせるために、最高出力416ps、最大トルク524Nmという6.2リッターV8ユニットがおごられています。駆動はオートモードがついた2WD/4WD切り替え式のセレクタブル4WDを採用しています。
エスカレードの内外装は、すべてに渡って文字どおりフル装備。いずれもゴージャスなキャデラックブランドの中にあって、フラッグシップらしい仕上がりです。
正直にいうと、さすがにボディの大きさが気にならないとはいえないものの、視界がいいので意外や運転していて不安感はありませんでした。また、本格オフローダーが採用するラダーフレーム構造なのに後輪にマルチリンク式サスペンションを採用してることもあって、フラットで快適な乗り心地を味わえます。速さには欠けますが、怒濤の力強さを感じられることもエスカレードの美点です。
しかし、そうした細かいことなどどうでもいいと思えてしまうところに、このモデルの真の魅力があるんだと思います。エスカレードの存在感は唯一無二のもの。もっと長い距離を走らせてみたい……エスカレードはそう思わせてくれるモデルでした。
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今回ドライブしたキャデラックのSUVには4車種個別のキャラクターが与えられており、それぞれがとても魅力的なモデルに仕上がっていました。SUVといえば、ドイツ車優位、日本車優位といったイメージをお持ちの方も少なくないでしょうが、そもそもSUVというカテゴリーを確立させ、発展させてきたのはアメリカ車なのだということを、あらためて痛感させてくれました。
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