SUV発祥の地で鍛えられた“キャデラック4モデル”の実力とは? 大らかな乗り味と強烈な存在感がドライバーを魅了する
共通のパワートレインを採用するXT5とXT6
心地いい季節を迎えた北関東を、キャデラックでめぐるツーリングへと出かけてきました。「XT4」、「XT5」、「XT6」、「エスカレード」というSUVのフルラインナップに、セダンの「CT5」を加えた5台を乗り換えながら、およそ430kmを走行するルート。各モデルを異なるシチュエーションで走らせたわけですが、5車種それぞれ似て非なる個性を味わえた、充実のワンデイツアーとなりました。
唯一のセダンとなるCT5の印象は別項でご紹介するとして、今回は4モデルのSUVに関する印象をレポートしたいと思います。

最初にステアリングを握ったのはXT5でした。全長4825mm、全幅1915mm、全高1700mmというボディサイズは、日本車でいうならマツダ「CX-60」よりわずかに大きい、といったところ。その車体に最高出力314ps、最大トルク368Nmを発生する自然吸気の3.6リッターV6ユニットを搭載していて、ツーリング/AWD/スポーツ/オフロードと4種のドライブモードを持つ可変式の4WDと組み合わせています。
走行したルートは、都心の品川シーサイドから群馬県の渋川まで約150km。一般道1割、首都高速2割、関越道7割といった感じのコースでした。
走り始めてすぐに思ったのは、大昔のアメリカ車のイメージしか頭の中にない人がこのクルマに乗ったら驚くだろうな、ということ。ドイツ車のように硬くはなく、かといってだらしなくブワブワなんてこともなく、ほどよく締まった乗り心地。首都高速のコーナーでもしっかりとした情報を伝えてくれるステアリングは操作角に応じて過敏でもダルくもなく素直に反応し、気持ちよくスピーディに走ってくれます。

なので、都内の一般道ではどことなく大きく感じていた車体も、こうしたステージではキュッと1段階小さくなったかのような印象で、いつの間にか全く気にならなくなってました。思ったとおりに動いてくれるクルマって、走ってるうちに小さく感じられるんですよね。
エンジンも低回転域からしっかりとトルクを提供してくれて、そのままなめらかに上の回転域まで回ってくれるので、飛ばしたいときにはしっかり応えてくれます。けれど、適度に締まった乗り味の中にある絶妙におおらかなフィーリングを味わってしまうと、それがとても心地よく感じられて、関越自動車道での走行は比較的ゆったりとしたクルージングに落ち着いてしまいました。
試乗した「プレミアムスポーツ」というグレードには連続可変ダンパーが標準で備わっていて、その効き目によるところも大きいのでしょうが、こうしたところにアメリカ車としての矜恃を残してるのかもしれません。
次に乗ったのは「XT6」。ボディサイズは全長5060mm、全幅1960mm、1775mmで、XT4よりひと回りほど大きい感じです。レクサス「LX」と近いサイズですね。

こちらもXT5と基本を同じくする4WDシステムを備えており、パワーユニットもパワー、トルクともにXT5と共通の3.6リッター自然吸気V6エンジンを搭載しています。XT5とXT6、パワートレインやアーキテクチャーは実は共通なんですね。
それでXT5より120kgほど重いXT6の車体を走らせるのですから、厳密にいうなら若干、緩慢であるのは確かです。しかし、渋川から八ツ場ダム周辺までの35km少々の一般道では、何ひとつ不満を感じることはありませんでした。そもそも力強いエンジンですし、高回転域まで回していくと活発さを増す性格です。走行中、もっとパワーやトルクが欲しくなったら、軽くアクセルペダルを踏み増しするだけ。それだけのお話です。
郊外の一般道ですから、時折、昔のクルマのサイズ感でつくられた道を走ることにもなるわけですが、さすがにそうしたところでは車体の幅広さに気を使います。ですが、対向車さえ来なければ、運転感覚的にはサイズを持て余すような感じは全くありません。大きいなりに、重いなりに、ドライバーに忠実な動きを示してくれるからです。
峠道で速度を上げていっても、結構しっかり応えてくれます。けれど、むしろゆっくり噛み締めるように走りたい気持ちになるのは、乗り心地がとても素晴らしいから。重さがしっとりした落ち着きにつながってる上に、XT5より新しい分だけ可変ダンパーが最新式の調律を受けてるからでしょう。短い距離なら、XT5よりもXT6の方が僕の好みに合ってるな、と感じました。ちなみにXT6にはサードシートも備わってるので、そちらに惹かれる人も少なくないかもしれませんね。
page
- 1
- 2
VAGUEからのオススメ
“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】