公道も走れるサーキット走行モデル フェラーリ新型「SF90XX」初公開 1億円超えのスーパーカーはすでに完売
「SF90」をベースにした合計限定1398台のスペチアーレ
2023年6月29日、フェラーリは「SF90XXストラダーレ」と「SF90XXスパイダー」を発表した。

SF90ストラダーレをベースに開発された2台は、生産台数に上限が設けられたスペシャルモデル(イタリア語で“スペチアーレ”と呼ばれる)で、クーペ版のSF90XXストラダーレは799台、コンバーティブル版のSF90XXスパイダーは599台が世界限定販売される。
フェラーリのスペチアーレといえば、ベースモデルよりもパフォーマンスを向上させ、よりサーキット走行向きに仕立て直したモデルが大半を占めるが、SF90XXと名付けられた2台は、これまで以上にサーキット走行を重視した点に大きな特徴がある。
たとえば、フェラーリのマーケティングとセールス部門を司るエンリコ・ガリエラ氏は、その位置づけについて「公道も走れる初めてのサーキット走行用マシン」という主旨の説明を行なったほど、サーキット走行に重点を置いて開発された模様。
このため、サーキットでのラップタイムはSF90を凌ぐことが確実視されているが、単にサーキットで速いだけでなく、ドライバーが自信を持ってコーナリング性能の限界まで攻められるとともに、その際に深い喜びが味わえる特性を目指したと、ガリエラ氏は語った。
具体的には、SF90のエアロダイナミクスを全面的に見直し、ダウンフォースの発生量を大幅に引き上げたのである。
その象徴ともいうべきデバイスが、ボディ後端に設けられた固定式リアウィングである。
常に高性能を追い求めるフェラーリのことだから、固定式リアウィングを設けたモデルなど星の数ほどあっても不思議ではないが、実はロードカーに限っていえば、1995年にデビューしたF50以来、実に28年振りに固定式リアウィングを装備したそうだ。
フェラーリが、ある意味で頑なに固定式リアウィングの採用を拒んできたのは、フェラーリらしいエレガントな外観が損なわれるというのが理由だった模様。しかし、今回はこの原則を破らなければならないほど空力特性に関する要求が高かったと同時に、顧客からの「もっとアグレッシブなデザインが欲しい」という声に押される形で、固定式リアウィングの装着に踏み切ったという。
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