VW「パサート」はなぜワゴンだけになったのか? 「ゴルフ」と並ぶビッグネームの新型とは? 広大な荷室と優れたクルージング性能は不変
クルマの3大要件をハイレベルで満たす新型パサート
その分、新型パサートはヴァリアントに期待される基本性能をきっちり磨き上げていました。

定評のある積載力は数字ベースでも明らかで、荷室容量690L、シート格納時最大で1920Lと、高さで容量を稼げるEセグメントSUVをも凌駕せん勢いです。実車を見ても、奥行き方向の荷室の広さは一目瞭然。横幅側も凹凸が少なくすっきりした形状でまとめられるなど、さすがにセグメントリーダーとしてのソツのなさが感じられました。
その分ボディサイズは、全長4917mm、全幅1849mm、全高1506mmと、車格的にはひと世代前のEセグメント級ステーションワゴンに近づいていますが、ホイールベースが伸びた分は前後席間もしっかり広げられており、後席の足元スペースはもはやLセグメントのサルーンに比肩するほどのゆとりが確保されています。
ときにステーションワゴンという車型のニーズは、北米や日本ではすでにSUVに置き換わりつつありますが、欧州のC〜Eセグメントにおいてはまだまだ一定のシェアを保っています。欧州のお客さん方は、なんでそんなにステーションワゴンがお好きなのか? それはライフスタイルに理由がありそうです。
ユーロの発足以降は高速道路網がつながり、ノンストップで国から国へとまたぐことが可能となって、クルマの機能性はさらに高まることになりました。夏場の休暇では何がなんでも家族と南に向かう……的な過ごし方が染みついている彼らにとって、ピンポイントで目的地に行けるクルマの利便は大きく拡張したわけです。
根源的に求められるクルマの3大要件といえば「速度」「航続距離」「積載力」ですが、ステーションワゴンはその3つを最も高次元でカバーできる車型です。
こと、速度と航続距離については代替案であるSUVに対して今でも明確なアドバンテージを築いています。欧州域内の高速道路の制限速度といえばおおむね120〜130kmk/h。一部“出し放題”のアウトバーンも含めてみれば、低重心で動的な質感や安心感を高めやすく、空気抵抗や転がり抵抗も小さいステーションワゴンの素養が光ります。
それこそ、パサートやゴルフのヴァリアントもディーゼルエンジンのTDI仕様になると、エコランを意識せずとも1000km級の足の長さを高速移動で体験できるわけで、そこに生活がピタッとハマる人には代わりのないものと評価されることでしょう。
ちなみに、新型パサート ヴァリアントのパワートレインは、欧州でマストとなりつつあるPHEV(プラグインハイブリッド)も含めて全8種類が用意されますが、日本導入の可能性が高いのは、従来どおり1.5リッターガソリンのeTSIと2リッターディーゼルのTDIになりそうです。
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