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VW「パサート」はなぜワゴンだけになったのか? 「ゴルフ」と並ぶビッグネームの新型とは? 広大な荷室と優れたクルージング性能は不変

セダンに対するニーズは世界的に減少傾向

「今回、ヴァリアントに一本化した理由は、セダンニーズの急速な減少にあります。欧州を例に挙げると、1対9から2対8の割合でヴァリアントの方が、ニーズが高い状況です」と話すのは、VW(フォルクスワーゲン)のプロダクトマーケティングのトップであるヘンドリック・ムース氏です。

 話の矛先は、9代目となる新型「パサート」。2023年9月のIAA=ドイツ国際自動車ショーで新型が初お披露目されたこのモデルは、1973年誕生の初代から数えて約3400万台を販売しているという、VWにとっては「ゴルフ」と並ぶツートップの一角です。

マーケットニーズの変化を受け、ステーションワゴン=ヴァリアントのみのラインナップとなったVW新型「パサート」
マーケットニーズの変化を受け、ステーションワゴン=ヴァリアントのみのラインナップとなったVW新型「パサート」

 その新型を取り巻く最大のトピックといえば、ヴァリアント=ステーションワゴンのみの設定となったことです。

 お気づきの方も多いと思いますが、セダンの需要は世界的に減少傾向にあります。その傾向は特に先進国において顕著で、欧米では特にパフォーマンス志向でもスペシャリティ志向でもないフツーのセダンを探すのが難しい状況です。

 アメリカのローカルブランドにおいては、シボレー「マリブ」くらいしか選択肢がありません。日本では先日、ホンダが新型「アコード」の導入が発表しましたが、買い手が心配になるほどラインナップを充実させているのはトヨタくらいなものです。

 理由は、価値観の多様化や選択肢の充実にあるのでしょう。今や冠婚葬祭に見合わないクルマなんて考え方もありませんし、各国の法人や官庁の需要もセダンに固執することなどありません。何がなんでもセダンだった欧米のタクシーも、ワゴンやSUVに取って代わられつつあります。

 欧州における新型パサートの“ヴァリアント専売化”は、セダンの需要が蒸発しつつあることのひとつの証といえるかもしれません。そしてこれは、日本でも適用される話です。

 ちなみに、直近の日本におけるパサートの販売比率もおおむね、7対3〜8対2くらいでヴァリアントの方が優位だったようで、専売化による大きな影響はないということなのでしょう。

 それでも、分母が日本よりも俄然大きな欧州においては、個人契約の少なかった従来のパサートセダンの需要はEV(電気自動車)の「ID.7」で代替するという目論見のようです。確かに、彼の地の法人需要においては導入する企業にとってもEVの方が有利という場面が多々あります。逆に、まだまだセダン需要が無視できない中国では、このヴァリアントをベースとしたセダンが合弁先によって企画されているとムース氏はいいます。

Nextクルマの3大要件をハイレベルで満たす新型パサート
Gallery 【画像】ワゴンとしての基本性能を磨き上げたVW新型「パサート」を写真で見る(25枚)
「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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