BMWはセダンをやめない! 新型「5シリーズ」は電動仕様「i5」でも“らしさ”が濃密 最新鋭“電動スポーティセダン”の実力とは
意のままに操らせることを妥協しない――BMWの意地と覚悟
今回の試乗はi5のみということで、無音とともにしずしずと進みゆくその様子にちょっと物足りなさを覚えたのも事実です。
しかし、それも最初のうちだけ。様子をつかめてくると、ひたすら感心させられたのはEVパワートレインの出来のよさでした。

リアモーターのみのeDrive40は、アクセル操作によるトルク変動の波が徹底的にならされていて、十分以上の加速力を気づかうことなくほぼシームレスに引き出すことができます。
唯一、気になったのは、アクセルオフ時にわずかながら発せられるショックですが、それも内燃機と比べればむしろ小さいものかもしれません。
その感覚でM60 xDriveに乗ると、eDrive40にも増して極低速域の駆動力をアクセル操作で苦もなく管理できることに驚かされました。
決して小さくも軽くもない車体を狭い駐車場で取り回しながら、3〜4km/hでスロープを登っていくことも苦にならない。そのままアクセルを踏んづければ、即座に820Nmのトルクが全開放され、0-100km/hを3.8秒ですっ飛んでいく……扱っているのはそんなクルマだと思えば、これは、あきれるほどのフレキシビリティといえるでしょう。
そこから見えるのは、動力源が内燃機であれモーターであれ、それを意のままに操らせることには一切妥協しないというBMWの意地や覚悟です。
快適性と運動性能の両面を高次元でバランスさせたシャシーのセットアップも、i5の見どころのひとつでしょう。
ハンドリングにおいては後輪操舵や電子制御スタビライザーを組み合わせて応答性や回頭性を高めていますが、動きにおける違和感のなさに統合制御の巧さが見てとれます。一方で、カドの取れたしなやかな乗り味を実現している辺りも、ランフラットタイヤの扱いに対しての一日の長が感じられるところです。
●「動的性能が今後も選ばれる理由になる」と確信!?
BMWらしいダイナミズムという点においては、内燃機のエモーションがない分を稼働音の音響効果やインタラクションバーの照明効果などで補おうとしているというのが正直なところかもしれません。
例えば、ドライブモードを「スポーツ」に設定した際、加速時に速度と連動するように流れるサウンドは、SF映画の宇宙船を思わせます。これ、ドイツの作曲家であるハンス・ジマーが手がけたものだそうです。氏は直近でも『007ノータイム・トゥ・ダイ』や『トップガン・マーヴェリック』を手がけるなど、著名な映画音楽家でもあります。
EVや自動運転が普及する段になったとき、クルマの競争領域はどう変わるのか? すでにソフトウェア・ディファインドなどのキーワードが自動車業界を騒がせています。
BMWもそこで何ができるのかをさまざまな角度から模索している……それが現状なのでしょう。一方で、動的な性能が今後も自分たちの選ばれる理由になるとBMWは確信している……i5の走りからは、それが強く現れているように見えました。
●BMW i5 eDrive40 Mスポーツ(※価格以外のデータは欧州仕様)
・車両価格(消費税込):998万円
・全長:5060mm
・全幅:1900mm
・全高:1515mm
・ホイールベース:2995mm
・駆動方式:RWD
・電気モーター:交流同期電動機
・最高出力:340ps
・最大トルク:400Nm
・駆動用バッテリー総電力量:83.9kWh
・サスペンション:(前)ダブルウイッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ベンチレーテッドディスク
・タイヤ:(前)245/50R19、(後)245/50R19
●BMW i5 M60 xDrive(※価格以外のデータは欧州仕様)
・車両価格(消費税込):1548万円
・全長:5060mm
・全幅:1900mm
・全高:1515mm
・ホイールベース:2995mm
・駆動方式:4WD
・電気モーター:交流同期電動機
・フロントモーター最高出力:261ps
・フロントモーター最大トルク:365Nm
・リアモーター最高出力:340ps
・リアモーター最大トルク:430Nm
・システムトータル最高出力:601ps
・システムトータル最大トルク:795Nm
・駆動用バッテリー総電力量:83.9kWh
・サスペンション:(前)ダブルウイッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ベンチレーテッドディスク
・タイヤ:(前)245/40R20、(後)275/35R20
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