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2024年に日本登場!? モビリティーショーでも注目だったBYD版アルファード 新型「デンツァD9」の真の実力とは

新型デンツァD9の乗り心地を公道で試した

 では、試乗してどうだったのか。運転免許の関係上、我々は中国で公道を走ることはできないため、セカンドシートに座ってその感触を体験することになりました。

BYD本社前に並んだ『デンツァD9』のBEV(左)とPHEV。フロントグリルで差別化している
BYD本社前に並んだ『デンツァD9』のBEV(左)とPHEV。フロントグリルで差別化している

 フロントはトヨタ・エスクァイアそっくりながら、車内はソフトな内装材に覆われた高級車のイメージです。

 シートはパワー機構が付いたセパレート型で、シートの手元には空調やオーディオなどを操作するスマホ大のコントローラーが設置され、反対側にはスマホのワイヤレス充電器を装備。また、前方中央には飲み物が入るサイズの冷蔵庫も配置され、オーディオはBYD車共通の「DYAUDIO」がインストールされていました。

 走り出すと、まず乗り心地の良さに驚かされました。

 路面からの振動もしっかりと抑えられ、ドライバーの運転が上手かったのかもしれませんが、走行中の揺れも少ないまま目的地へと移動できたのです。もちろん、電動車故に静粛性が高く、何よりも雨の中を走行してもロードノイズがしっかりと抑えられていたのが印象的でした。

 一方で、BYD本社ではあくまで敷地内でしたが、ハンドルを握って体験走行することができました。

 速度は30km/h程度までしか出せませんでしたが、車重が2.5tはあるボディをスムーズに走らせます。ハンドリングも適度な重さがあって、正直にいえば日本で試乗したATTO3やドルフィンとは比べものにならないしっかり感を体験できたのです。

 これが日本市場へ導入されるとなれば、スペック的にはかなり脅威になりそうな気がしました。

 ただ、気になるのは日本での価格です。

 中国での販売価格をベースに推測すると、900万円前後にはなるのではないでしょうか。日本ではアルファードの最上位グレードと真っ向からぶつかる価格帯です。

 アルファードとの違いは、デンツァD9はBEVであることで、そこに価値を見出すとなれば優位性はあるでしょう。ただ、日本での「アルファード」への信頼性は高く、その壁を打ち崩すのはそう簡単ではない気がします。

※ ※ ※

 最後に、BYDの末っ子BEV「シーガル」についてBYD本社の敷地内での試乗体験をお伝えしたいと思います。

 シーガルは2023年4月に開催された上海モーターショーで発表され、それから約半年で15万台近くの受注を獲得した人気BEVです。

BYDの末っ子BEV『シーガル』。「カモメ」を意味する名前で、内外装でそれを意識したデザインが採用されている
BYDの末っ子BEV『シーガル』。「カモメ」を意味する名前で、内外装でそれを意識したデザインが採用されている

 中国ではバッテリー容量別に30.08 kWhと38.88 kWhの2グレードがラインナップされ、航続距離はそれぞれ305 kmと405 kmとなっています。組み合わせるモーターの出力は73hp(55kW)で前輪を駆動します。

 ボディサイズは、ヤリスやノートとほぼ同じぐらいのコンパクトハッチとなります。しかし、車内は想像以上にゆとりがあり、前席を身長168cmの私に合わせた状態での後席は大人二人がゆったりと座ることができました。

 ただ、後席は分割式ではありません。それでも内装材はドルフィンと比べてもそれほど見劣りするものではなく、センターに操作スイッチが並ぶスタイルはドルフィンにも似ています。上位グレードにはワイヤレス充電やメモリー機能がないパワーシートも装備されていました。

 走りについては大人3人が乗車しましたが、立ち上がりはかなりスムーズな印象です。ただ、路面からの突き上げ感は強めで、一般道での乗り心地は少々物足りなく感じるかもしれません。

 とはいえ、この仕様で最上位グレードでも180万円強で販売されているのは驚きです。仮に日本へ導入されて多少の上乗せがあったとしても250万円前後で販売する可能性は十分に考えられます。となれば軽EVと比べても相当な競争力を発揮することは間違いないでしょう。

 デンツァD9とシーガルを振り返ると、個人的にはシーガルを優先して販売すべきではなかったかと考えます。その理由は、日本で中国車を買うとなれば、やはりその対象を身近な存在として捉えがちになるからです。とくに日本ではBEVをセカンドカーとして活用したいというユーザーも多く、その意味でもシーガルの立ち位置は明確になれると思うからです。はたして2024年、BYDは日本でどう認知されていくのでしょうか。

Gallery 【画像】BYD版アルファード!? 「デンツァD9」の超豪華インテリアを見る(18枚)
「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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