なぜソバ湯は体にいい? 出汁と合わせてオリジナルの「たこ焼き」も!? 店でも家庭でも知っておきたいソバ湯の楽しみ方とは
●うま味と栄養がたっぷりのソバ湯
お蕎麦屋に入ると、ソバとは別に運ばれてくる“ソバ湯”。これは麺を茹でたときのお湯ですが、ソバ通の間では食後に飲むのは当然とされています。
しかし、なぜ、わざわざ茹で汁を飲むのでしょうか。
その答えは、ソバならではの栄養にあります。ソバには、ビタミンB1やB2などビタミンB群が豊富に含まれています。また、良質な植物性たんぱく質や食物繊維、ミネラル、体の発育に欠かせない必須アミノ酸も多く含まれています。
特筆すべきは、「ルチン」です。ビタミンCと一緒に毛細血管を強くするといわれていますが、穀物のなかでソバだけがルチンを含みます。
ところが、ソバの栄養素は水溶性のものが多く、茹でる際にお湯へ流れ出してしまいます。つまり、ソバ湯にはこうした栄養がたっぷり含まれているのです。
白くてとろみがついているのも、そばのたんぱく質が溶け出しているため。ソバ湯を飲むことで、風味を楽しめるだけでなく、栄養もしっかりとれます。

●ソバ湯を使ったたこ焼きも? 楽しみ方はいろいろあるぞ
それでは、ソバ湯はどのように楽しむとよいのでしょうか。飲み方について、日本そば文化学院の担当者は次のように話します。
「食べ終わった後に、残ったつゆにソバ湯を入れていただくのが一般的です。しかし、人によってはつゆの辛みを嫌って、ソバ湯だけでいただくという人もいます。
ソバ湯の味自体を楽しみたいのであれば、何も入れずに飲みます。もちろん、つゆにはいろんな味や栄養素が含まれていますので、一緒に飲むのも立派な楽しみ方のひとつです」
飲み方にとくに決まりはなく、ソバ湯には塩気がないので、そのまま飲むというより残ったつゆに入れて出汁と一緒に味わいながら飲む人が多いといいます。
ソバ湯を飲むときは、湯呑みにつゆを入れても、そば猪口に入れてもどちらでも構いません。つゆの出汁が薄いと感じられたら、山椒やわさびなどの薬味を加えてみるのもよいでしょう。
じつは、ソバ湯の味は店によって千差万別です。ほとんど味がなく風味を楽しむものだったり、ソバの味わいがはっきり感じられたりと、ソバ湯を飲むだけで店の腕が分かるといわれているようです。
もしも、店舗ならではのおすすめの飲み方があれば、聞いてみるのもひとつの楽しみ方です。
また一方で、家庭でソバを茹でたお湯も、もちろん同じ。自家製のソバ湯をとっておくと、いろいろな料理にも使えます。
たとえば、顆粒だしなどを加えるだけでスープに早変わり。そのスープで一味違う湯豆腐や鍋、味噌汁が楽しめたり、ソバ湯の卵がゆをつくることもできます。お雑煮をつくるのもいいかもしれません。
ソバ湯は麦茶用ポットなどに保存すると便利です。清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存すると2日から3日はもつようです。
さらに、ソバ湯は飲むだけではありません。前出の担当者は次のように語ります。
「単に飲むだけではなく、例えばソバ寒天のように、ソバ湯から新しい食べ物を作ったりする場合もあります。このように、楽しみ方には様々な種類があります」
和スイーツの代表である寒天ですが、水の代わりにソバ湯を使って作ると、ほんのり香りがして、ういろうに似た風味に変わります。
まず、寒天やゼラチンをお湯で戻しておき、そこに濃いソバ湯を加えます。さらに砂糖などで甘味をつけ、冷やし固めます。できあがりには、あんこなどをかけても美味しく食べられます。
ほかにも、ソバ湯を使ってたこ焼きをつくると風味がよくなるようです。
※ ※ ※
江戸時代に出版された、食材の百科事典「本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)」には、“ソバを食べすぎてもソバ湯を飲めば食あたりしない”と記されています。ソバ湯はただの茹で汁ではないとして、古くから関東の人を中心に親しまれてきました。ソバの粋な楽しみ方、いろいろ工夫してみてはいかがでしょうか。
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