「ザクッ、そしてジュワッ」アメ横の裏路地に佇む「とんかつ まんぷく」は、秘密にしておきたくなる“トンカツの名店”だった
●アメ横の細い路地にある、昭和の雰囲気を残すカウンターだけのトンカツ店
一説によると、日本でトンカツが生まれたのは明治時代の東京・上野。
今でも上野とんかつ御三家「ぽん多本家」「蓬莱屋」「井泉本店」をはじめ、個人店やチェーン店、最近ではインバウンド観光客が行列を作る人気店など、様々なトンカツの店がしのぎを削っています。
その中でも、アメ横の守護神、摩利支天のある道から細い道に入り、さらに奥に入ったところにあるのが「とんかつ まんぷく」。
知っている人に連れて行ってもらわないと、おそらく気づかないのでは? と思えるほど、ひっそり佇んでいるお店です。

建物はトタン板や網のついた窓など、21世紀の今から見ればまるで映画のセットのような外観。
「父親が店を開いたのが東京オリンピックの2年前、その前から建物があるので、推定70年以上ですね」と話すのは二代目店主の小澤さん。
戦後すぐ、アメ横ができた当時のままの建物が現存しているのはかなり貴重です。
ランチタイムを外しても店内は常に満席。行列ができることもしょっちゅうです。
そのほとんどが1人客。おそらくですが、アメ横および上野・御徒町エリアで働いている人、または仕事で近くに来た人が、そのおいしさに惹かれて通っているのではないでしょうか。カウンターしかない店内、そして外に待っている人がいるとなれば、誰しもが黙々と食べていく、ということになります。
そんな、知る人ぞ知るトンカツの名店「とんかつ まんぷく」の、おすすめの料理を紹介します。
●ザクッ、そしてジュワッ。豚肉の旨みがダイレクトに伝わるひれかつ定食1650円
店の二大看板メニューの一つ、ひれかつ定食。2口サイズのヒレカツが4つお皿に載っています。
卓上には2種類のソースのほか、ピンク岩塩、カラシ、醤油、七味など。「ソースはトンカツソースとウスターソースですね」と店主。
でも最初は、塩だけ、またはちょっとのカラシだけで味わってほしい。肉のおいしさがダイレクトに感じられます。
揚げたてのひれかつは外がザクッと、そして噛むと中から肉の旨みがじんわりと口の中に広がってきます。
慌てて食べたらもったいない! ゆっくりとおいしさを噛み締めたくなる味わいです。
最初の一切れを塩で味わったら今度はソースをかけてキャベツと一緒に。ソースならではの複雑な旨味と香り、そしてキャベツのシャキシャキに思わずうっとりしてしまいます。

●分厚いのに柔らか。肉の旨み、脂身の甘みがたまらないロースかつ定食1650円
そしてもう一つの看板メニュー、ロースかつ定食。こっちは肉の厚みがすごく、大ぶりのカットなので、かたまりにかぶりつくような感覚です。
だからこそ、口の中でザクザクとムチムチがガツンと来る! 美味しくて大きなトンカツは、食べるとエネルギーを一気にもらえるような感覚。そのおいしさを享受しつつご飯をかっ込みます。
そして、この店の常連さんの多くが追加注文するのが目玉焼き。なので目玉焼きと一緒にトンカツを醤油で味わう人が多いのもこの店ならではの特徴です。ところで、目玉焼きはどのタイミングで食べればいいの?
「皆さんそれぞれですね。メンチにも生姜焼きにも目玉をつける人が多いですし、中にはご飯に乗っけて食べている人もいますから」と店主。
トンカツでもロース焼肉でもとりあえず目玉焼き。それが「とんかつ まんぷく」に昔から通い続けている人たちの流儀なのかもしれません。
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