全長4.4mの大きく立派なボディは もはや“ミニ”じゃない!? 新型「ミニ・カントリーマンJCW」の最新の走り味とは
従来のミニ・クロスオーバーから「ミニ・カントリーマン」に統一
コンパクトで軽快な走りの印象が強いMINI(ミニ)。
その中でもっとも実用性が高いグレードが「ミニ・カントリーマン」です。いわゆるSUVに属するモデルで、ボディサイズもミニの中でももっとも大型。ラインナップには4輪駆動方式も揃えます。
今回はその中で走りのパフォーマンスも極めた「JCW(ジョン・クーパー・ワークス)」についてレポートします。

この「カントリーマン」という名称、実は日本でこの呼び方は初めてのことになります。もともとカントリーマンという名称はグローバルで使われてきましたが、日本だけは商標の関係からそれが使えず、“クロスオーバー”としてきました。それが今回、その権利が譲渡され、日本でもやっとグローバルな車名で名乗れることとなったのです。
名前だけではありません。このモデルチェンジを機に、ミニ・カントリーマンは大きく進化を遂げています。
このカントリーマン、実車を前にすると、ミニという概念からすると少し大きく感じます。それもそのはず、ボディ寸法は全長4445mm×全幅1845mm×全高1645mmと、やはりコンパクトカーとは言えないサイズです。
それでも4.5m以下に収めたことで、SUVというカテゴリーの中では十分コンパクトであるのは間違いありません。
外観のデザインはミニならではの丸めのヘッドライトではなく、より角張った形状とし、ボディ全体のシルエットも直線基調。そこからは精悍かつアグレッシブさを印象づけますし、加えて随所にJCWらしさに満ちあふれているのもポイントとなります。
もちろん、テールランプにユニオンジャックが象られているのは言うまでもありません。
試乗車はそのメインカラーとも言える、ミッドナイトブラックⅡにレッドルーフを組み合わせた2トーンカラー。ボンネットの上にはチェッカーフラッグを模した赤いストライプが施され、この組み合わせがJCWらしさを否応なく伝えてくるのです。
しかも、よく見れば、チェッカーフラッグはフロントグリルや20インチホイールににまで及んでいるではありませんか。これを見ただけでも、乗る前からワクワク感がつのってきます。
続いてインテリアをチェック。車内に乗り込むと真っ先に眼に入ってくるのが、ダッシュボード中央にある、直径240mmの円形ディスプレイです。
パネルには視野角が広く、発色に優れた有機ELを採用し、この特性を活かしつつ、カーナビをはじめ、オーディオや空調などの多くの機能を鮮明に表示します。加えて、表示や操作時の効果音の演出は楽しさに満ちあふれており、この辺りはいかにもミニらしい遊び心を感じさせてくれます。
また、インテリアは質感とともにアグレッシブさに富んだデザインとなっています。グレー系のファブリック上に赤が各部にあしらわれたダッシュボードは、リサイクル材を多用したシンプルな造りとなっていますが、それでもしっかりとソフトパッドが施されているため、チープさは微塵も感じさせません。
さらにAピラーの裏側には、「harman/kardon」のロゴマークが入ったツィータを配置。これがヒンヤリとした心地よい素材感を伝えても来ます。
車内空間の広さもボディサイズが大きめなカントリーマンならではのメリットです。特に後席は大人が座っても十分な広さがあり、ヘッドレストを上げて少しシートを寝かせればSUVらしいゆったりとした座り心地を楽しめます。後席用ベンチレーションやUSB(type-C)端子が2つ付いているのもプラスポイントです。
また、カーゴルームはそこそこの容積があり、後席シートをたためばそれこそかさばるものもラクに収められます。
ここで運転席に座って「おや?」と思ったのが、速度計が見当たらないのです。クラシックMINIのように中央のディスプレイにあるのかと思いきや、そこにもありません。
しかし、運転席から正面を向いた時、視線内に速度表示が自然に見えてきました。そうです。運転席側のダッシュボード内に仕組まれたヘッドアップディスプレイ上に、その機能は用意されていたのです。ヘッドアップディスプレイ自体は珍しいものではありませんが、正直、この割り切りには驚かされました。
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