東京駅から快速で90分で行ける秘境路線「100円稼ぐのに1万3580円もかかるって!?」 いま存続の危機が噂される屈指の“赤字ローカル線”とは
実際に久留里線に乗って旅してみた
JR久留里線を楽しむには、じつはJR千葉駅から発車する高速バス鴨川〜千葉線「カピーナ号」に乗り、途中のバス停「亀山・藤林大橋」で降りると便利です。
つまり行きは高速バスで向かい、帰りに久留里線を全線乗車する、という魂胆です。“ホンモノの乗り鉄”の方々には邪道と思われるかもしれません。

カピーナ号は千葉駅から外房の安房鴨川にある亀田病院に向かう高速バスで、下り/上りとも1日9便が運行されています。
途中のJR蘇我駅からも乗車でき、東京ドイツ村や小櫃駅、久留里駅など久留里線の駅前バス停に停車しつつ、千葉駅からおよそ1時間半で亀山・藤林大橋バス停まで連れて行ってくれます。
今回はJR蘇我駅を10時54分に発車するカピーナ号に乗車し、12時3分に亀山・藤林大橋でバスを降りました。久留里線のライバルとなる高速バスですが、やはり便利で使い勝手が良いのは高速バスの方だと実感します。
14時27分に上総亀山駅を発車する久留里線に乗る予定のため、およそ2時間の余裕があります。
上総亀山駅の近くには亀山ダム、そして亀山湖というダム湖があり、自然豊かな場所になっています。その周辺を散策するも良し、亀山湖でボートに揺られるも良し。今回は亀山湖のほとりにある亀山温泉ホテルでランチ&立ち寄り湯を楽しみました。
亀山湖から徒歩およそ15分、上総亀山駅は噂に違わぬ秘境駅です。集落を歩いていくとぽつんと現れる小さな駅で、周囲にはコンビニはなく1軒のよろず屋風の商店があるのみ。駅前には人通りもありません。
木更津駅を13時1分に出発した久留里線が14時11分に上総亀山駅に到着。そこでは10人ほどの乗客が降りましたが、14時27分発の折り返しで、同じ電車に乗ってきた全員が見事にまた乗車しました。その日は上総亀山駅から乗車した人は筆者のみでした。
千葉県では珍しい、ディーゼル音を響かせながら、黄色と緑で彩られたカラフルな2両編成のキハE130系が森の中を走ります。線路脇から伸びた枝がバシバシと車体を叩いていきます。
実際に乗った久留里線はボディカラーだけでなく内装もカラフルで、ローカル線ということでイメージしていた「ひなびた」感じはありません。乗客も少ないため、ロングシートに座りのんびりと、ゆったりと外の風景を見ながら時が経っていきます。
25分ほど乗車の後、途中の久留里駅で下車。上総亀山駅の乗車証明書とともに運賃を現金で駅員に払います。
久留里はもともと久留里藩の城下町で、名水の里としても知られ、いまでも町には200もの井戸があり、地下水が湧き出ています。また久留里には、そんな名水を使った酒蔵が多くあるのも特徴で、久留里駅から徒歩5分ほどにある久留里観光交流センター「生きた水久留里 酒ミュージアム」では、地酒の試飲がおちょこ1杯200円で可能です。
上総亀山駅〜久留里駅は本数が少ないのですが、久留里駅〜木更津駅は朝から晩まで1時間に1本走っているので、地酒を飲みすぎても安心です。今度は1両のディーゼル車で木更津駅まで40分。途中駅では学生や地元の人が乗りこみ、木更津駅に着くころには座席がすべて埋まるほどの乗客となりました。

※ ※ ※
久留里線の終点、上総亀山駅周辺は実は紅葉の名所でもあります。
11月16日から12月1日までの休日には、木更津駅発8時20分、9時16分、11時11分の上総亀山駅行きという増便ダイヤが組まれています。
これからの時期、久留里線でののんびり紅葉旅、というのも楽しいかもしれません。
ちなみに、そんなJR久留里線のあり方を検討する「沿線地域交通検討会議」は2023年から始まり、この10月の第5回で終了、同月28日に報告書をまとめています。
そこには「自動車中心の交通体系への移行により、より利便性を有する地域公共交通が実現」と書かれており、地元紙などでもJR久留里線の存続の危機が報道されています。
page
- 1
- 2
VAGUEからのオススメ
ポータブル電源が都心で過ごす夜を変える──Jackeryがかなえる“オフグリッド”なスポーツ観戦【PR】