ポルシェ「911」はやはり“最新こそ最良”? 快適性向上でGT性能を高めた“非ハイブリッド”のベーシック仕様「911カレラ」の存在価値とは
グランツーリズモの個性に磨きをかけたスタンダードな「911」
歴代のマイナーチェンジを振り返ってみると、“タイプ992.2”とも呼ばれる最新型への変更点は少々控えめに感じます。しかし最新の「911」は、動き出した瞬間から少なからぬ違いをドライバーへとアピールしてきます。

最初に驚いたのは、発進時やストップ&ゴーの際など、アイドリングから1500回転前後のアクセルペダルに対する反応が、よりスムーズかつパワフルなっていることでした。
“アクセルのツキがよくなった”、“発進加速が軽やかになった”とでも表現したくなる進化ですが、前期型も十分な低速トルクを有していましたし、不満など全く感じることはありませんでした。
それでもなお「最新モデル、いいね!」と思わせてくれるのは、アクセルのオン/オフ間のなめらかさが増し、右足の動きへの反応もよりリニアになるなど、操作に対する質感が向上したからといえそうです。
ターボチャージャーが変更され、それに伴い、エンジンやトランスミッションの制御も変更されたと思われますが、この辺りの完成度の高さは流石といったレベル。街中での扱いやすさも増しています。
もうひとつ、最新モデルの進化を感じたのは乗り心地です。フルオプションと呼んでも過言でない試乗車には、標準のフロント19インチ/リア20インチホイールに換わり、フロント20インチ/リア21インチの「Spyderホイール」が装着されていました。大径ホイール+ロープロファイルなタイヤの組み合わせですから、やや身構えて走り出したのですが、素直に「快適!」といえるレベルの乗り心地を実現していました。
前期型「911カレラ」もスポーツカーとしては十分に満足できるレベルの乗り心地でしたが、最新モデルは路面からの雑音的な振動や段差などによるガツンとくる入力もしっかり排除されています。
足まわりそのものがソフトになったのか? といわれれば、極低速域ではわずかにソフトな設定になった気がしますが、一方で、ちょっとしたワインディングを気持ちよく走る程度のスピードでは従来よりも軽快ながら、しっかりとした粘り腰を披露してくれます。また、120km/h程度の高速巡行時の安定感、ステアリングのインフォーメーションもより洗練された印象です。
今回、最新型の「911カレラ」に試乗してみて、「“タイプ992”にはまだこれほどの伸び代があったのか!?」と驚かされました。こうした質感やクオリティ面の進化は諸元表や仕様書を見ただけでは把握しづらい部分だけに、乗ってみて初めてその変化に気づかされた次第です。
とはいえ、今回のマイナーチェンジで「911カレラ」はスポーツカーとしての牙を抜かれてしまったわけではありません。「グランツーリズモとしてのキャラクターに磨きをかけた」というのが、正しい受け止めなのでしょう。
実際、今回試乗した「911カレラ」には、ツートーンレザーインテリアやチルト/スライド式電動ガラスサンルーフ、ナイトビューアシスト、BOSEサラウンドシステムなどのオプションが装着されており、そのたたずまいや設えもグランツーリズモ志向でした。
ポルシェ「911」はしばしば“最新こそ最良”と評されますが、最新の「カレラ」は性能面だけでなく、オプションの組み合わせ次第でオーナーの希望に応えられる“懐の深さ”を持ち合わせているという点においても、やはり“最新こそ最良”だなと感じました。
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