チンクの原点!? コンパクトボディに「3+1」シートを採用した“幻”のコンセプトカー「トレピウーノ」とは
フィアット500への道を開いた「トレピウーノ」
フィアット500の誕生に先駆けて発表されたコンパクトカー「トレピウーノ(Trepiuno)」は、2004年のスイス・ジュネーブモーターショーで初披露されました。
1957年に登場した初代フィアット500(チンクエチェント)へのオマージュとしてデザインされ、モダンな要素を取り入れた革新的な都市型モデルとして注目を集めたコンセプトカーです。

「トレピウーノ」という名称は、ユニークなシートレイアウトに由来しています。通常の2+2シート配置ではなく、3+1(イタリア語で「トレ・ピウ・ウーノ」)のレイアウトを採用し、助手席側のスペースを広く確保することで、実用性を向上させました。この設計は、都市部での移動に適したコンパクトカーの新しい可能性を示すものです。
レトロとモダンを融合したデザインは、フィアット社内のスタイリングセンターが手がけ、丸みを帯びたフォルムやシンプルなディテールは、初代フィアット500の愛らしさを継承しつつ、現代的なタッチが加えられていました。インテリアもミニマルでありながら未来的な雰囲気を持ち、デジタルディスプレイや斬新なコントロールパネルが特徴です。
ボディサイズは、全長3300mmというコンパクトな設計でした。これは、現行型フィアット500と比べてもさらに小さく、都市部での取り回しの良さを重視したサイズ感となっています。なお、全幅は1650mmでフィアット500と同じです。それでいて室内空間の有効活用が工夫され、3+1シートレイアウトによる実用性を確保しています。
トレピウーノの発表後、フィアットはこのコンセプトを基に市販モデルの開発を進め、2007年に新型フィアット500として正式にデビューを果たしました。そのデザインやコンセプトはトレピウーノのものを色濃く受け継ぎ、レトロとモダンを融合させたスタイルが世界中で人気を博しました。
トレピウーノは、単なるコンセプトカーにとどまらず、フィアット500の復活への道筋を示した重要なモデルであり、そのDNAは現在のフィアット500シリーズにも脈々と受け継がれています。
VAGUEからのオススメ
“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】