「えっ…!」“クロスオーバーSUV”ベースのオープンカーがなぜか売れてる!? 販売ランキングで判明“欧州ヒットモデル”人気の理由とは
フォルクスワーゲンのSUVオープンが売れている!
オープンカーと聞いて、貴方が思い浮かべるモデルは何でしょうか? マツダ「ロードスター」、メルセデス・ベンツ「SL」、BMW「Z4」、ミニ「コンバーチブル」などが定番ですよね? しかし、ところ変わってヨーロッパでは、日本人には意外に思える車種が売れているようです。

先ごろ自動車メディア『Automotive News Europe』が報じた2024年のヨーロッパ市場におけるオープンカー販売台数ランキングは、ドイツの自動車関連情報会社であるDataforceがまとめたものです。
ちなみにこの情報にある“ヨーロッパ”とは、EU(欧州連合)に加盟する27か国だけでなく、イギリスやアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスを含むEFTA(ヨーロッパ自由貿易連合)も含んだ数字となっているそうです。
そんなランキングで栄えある第1位に輝いたのは、ミニ「クーパー コンバーチブル」で販売台数は1万1895台。これは予想どおりの結果といえるかもしれません。
でも、続く2位が驚きです。なんとコンパクトクロスオーバーSUVをベースとするオープンカー、フォルクスワーゲン「T-Rocカブリオレ」(日本未導入)が1万691台で堂々とランクインしています。
日本でSUVベースのオープンカーといえば、ジープを除くと過去に発売されていたメルセデス・ベンツ「Gクラス」ベースのカブリオか、ランドローバーが「レンジローバー イヴォーク コンバーチブル」を正規販売した程度しか思い浮かびませんよね。
日本メーカーも、日産がアメリカ市場向けに「ムラーノ クロスカブリオレ」をリリースしたことがありましたが、残念ながら日本には導入されませんでした。やはり日本市場では、オープンカーの需要がそこまで高くないのでしょうか?
●SUVベースのオープンカーは中古車市場のダークホース!?
続く3位は、ポルシェ「911カブリオレ」で8120台、4位はBMW「4シリーズ カブリオレ」で7251台、そして5位にマツダ「ロードスター(輸出名MX-5)」が6455台で続きます。
ここで特筆すべきは「911カブリオレ」の健闘ぶりでしょう。高額車両にもかかわらず、なんと「718ボクスター」の1.67倍も売れているのですから。「911カブリオレ」、ヨーロッパのお金持ちには大人気の様子です。
そして6位から10位には、BMW「Z4」(5499台)、メルセデス・ベンツ「CLEカブリオレ」(4918台)、ポルシェ「718ボクスター」(4848台)、アウディ「A5/S5カブリオレ」(4572台)、ジープ「ラングラー」(3909台)という顔ぶれが並びます。
このランキングが教えてくれるのは、市場の好みは国や地域によって大きく異なるということ。特に注目すべきは、SUVベースのオープンカーである「T-Rocカブリオレ」の躍進ぶりです。何しろ日本では、ほとんど見かけることのない同カテゴリーが、ヨーロッパでは堂々の2位に輝いているのですから。
これは欧州市場における、オープンカー人気の高さを物語る結果といえるのではないしょうか。気候条件や道路環境、そして何より消費者の好みの違いが、今回のデータに表れているのでしょう。
市場規模は小さいものの、オープンカーの販売状況は自動車文化の多様性を映し出す鏡ともいえます。そして、自動車メーカーがグローバル戦略を練る際には、こうした地域ごとの特性を細かく分析するからこそ、Dataforceのような会社が存在するのでしょう。
もし日本でSUVベースのオープンカーが流行ったら、貴方はどんなモデルに乗ってみたいですか? トヨタ「ハリアー コンバーチブル」? それともスバル「フォレスター カブリオレ」? 欧州市場で人気のSUVベースのオープンカーが、今後、中古車マーケットのダークホースになるかもしれません。
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