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多くの名車を手がけた「カーデザイン界の巨匠」のスゴさとは? ジウジアーロ作品に息づく「天才的な才能と製品への深い愛情」

人気映画でタイムマシンとなった名車もジウジアーロ作品

 かつてゼネラルモーターズの役員だったジョン・デロリアンさんが、理想を追求したクルマづくりのために立ち上げたメーカー・デロリアン モーター カンパニー(DMC)。そんな同社が1981年に世に送り出したのが、お馴染みのDMC「デロリアン」です。

DMC「デロリアン」
DMC「デロリアン」

 そのデザインは、ジウジアーロさんが担当。ちなみにメカニズムの開発はロータスが請け負っていました。それもあってか、FRP製のシャシーはロータス「エスプリ」から派生したものでした。

 無塗装のヘアライン加工が施されたステンレスパネルのボディ、地をはうようなロー&ワイドのスタイル、そしてガルウィングドアなど数々の特徴を持つ個性的なデザインは、人々の視線を釘づけにしました。

 発売後、品質やエンジンスペックの平凡さ、価格の高さなど多くの問題を抱えた上に、デロリアンさん本人も麻薬所持で逮捕されるという事態に陥った結果、DMCはわずか1年で倒産。それでも一説によると、「デロリアン」は今も6000台以上が現存するとわれています。

 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでタイムマシンに採用されたこともあり、子どもから大人まで幅広い世代に愛されるクルマとなっています。

 続いて、1988年にデビューしたのはイタルデザイン「アズテック」。イタルデザインの創設20周年を記念して「トリノショー1988」で発表されたコンセプトカーです。

 そのスタイリングは、スーパーカーというよりもまるでレーシングカー。運転席と助手席とが独立した設計で、それぞれのシートに座る乗員間の会話は、ヘッドホンとインカムを使っておこなうとされていました。

 乗降時に持ち上がる着脱可能なルーフ、3けたのコードを入力することで操作するコントロールパネル、そしてナビゲーションシステムなど、特徴的な機能が多数盛り込まれていました。

 ちなみに、エンジンはアウディの2.2リッター直列5気筒ターボで、4WDシステムはランチア「デルタ HFインテグラーレ」から流用されています。

 当時、日本限定50台で販売される計画もあったそうですが、バブルの崩壊と重なって頓挫。海外では20台前後が製造・販売されたようです。

 最後にフォーカスするのは未来のクルマ。「ジュネーブモーターショー2020」でデビュー予定だったバンディーニ「ドーラ」。コロナ禍で同ショー自体が開催中止となったため、実車の一般公開は今回の「オートモビルカウンシル2025」が初めてとなりました。

バンディーニ「ドーラ」
バンディーニ「ドーラ」

 バンディーニは、1946年創業のイタリアのスポーツカーメーカーですが、1992年に閉業。その復活作となるのが「ドーラ」です。

 ジウジアーロさん親子が2015年に設立したデザインコンサルタント会社「GFGスタイル」がデザインを担当。シザードアを備えた迫力満点のオープンカーで、パワートレインは電動。前後にモーターを搭載する4WD車で、システム出力は536ps、0-100km/h加速タイムは3.3秒という俊足を誇ります。

* * *

 ほかにも会場には、ジウジアーロさんがデザイン原案を担当した日産の初代「マーチ」や、マツダ初代「ルーチェ」の原案となった「S8P」が展示されていたほか、ブリヂストンの自転車「ブルゾン」や岡村製作所のデスクチェア、SHOEIのヘルメットなど、クルマ以外の工業製品もディスプレイされていました。多くの日本製品にジウジアーロさんが関わっていたことを実感できる、かつてない展示となったようです。

Gallery 【画像】「えっ!…」世界的な名車をデザイン! これが自動車史に輝くジウジアーロ作品です(30枚以上)
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