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韓国発の「5ナンバーサイズBEV」は日本車の脅威!? 充実装備とハイレベルの走りが魅力のヒョンデ「インスター」は日本にジャストな選択肢か

17インチ車は本国仕様のセットアップでよかったかも

 日本仕様の「インスター」の走りは、コンパクトモデルであることを感じさせないドシっとしたものではありますが、本国仕様より軽めのステアリング設定により、日常域での取り回しは楽々である一方、直進安定性はちょっと頼りなさが残る感じです。

ヒョンデ「インスター」
ヒョンデ「インスター」

 コーナリング時にスポーティやワクワクといった過度な演出はありませんが、ドライバーがステアリングを操作した分だけ素直に曲がってくれる、至極真っ当なハンドリングに仕上がっています。

 加えて、トレッドが拡大されたかのような安定感は「フィット」以上で、BEVながら車両重量を感じさせないキビキビとした動きのバランスはトヨタ「ヤリス」以上。思わず「日本車、もっと頑張れ」といいたくなってしまう走行フィールは、いろんな意味で脅威です。

 日本仕様の「インスター」の乗り心地は、入力の優しさやストロークで吸収する減衰などにより、日常域ではサイドウォールが薄い偏平タイヤのネガを抑えた優れた快適性を実感できます。

 そんななか残念なのは、高速走行時に本国仕様以上にバネ上が落ち着かない印象があること。シティコミューターと割り切って乗るならいいのですが、ロングドライブも許容できるモデルであることを考えると、個人的には「17インチ仕様は本国仕様のセットアップのままでよかったのでは?」と思いました。

 運転支援デバイスは上級モデルと変わらず、ほぼフルスペックといっていい装備内容の「インスター」ですが、ステアリング制御(HAD)やナビ協調ACC(NSCC)のカーブ区間の速度制御などは日本の道路事情に合わせたセットアップになっています。実際に使ってみても違和感のない自然な制御でしたが、短時間では分からないこともあるので、近々、長距離を走って試してみたいと思います。

 韓国車というと、さまざまな感情を抱く人がいますが、少なくとも「インスター」は、クルマの仕上がりに関しては日本車もウカウカしていられないレベルなのは事実です。

 また、このカテゴリーのモデルが日本車の中から出てこないことは残念でなりません。「インスター」の価格(消費税込)は284万9000円~357万5000円ですが、国のCEV補助金(56万2000円)を使えば、現実的な価格帯であることが分かるはずです。

●世界のクルマのプロがその実力を認めた

 そんな「インスター」は、筆者が選考委員に名を連ねるアワード「ワールド・カー・アワード(World Car Awards)」において、2025年の「World Electric Vehicle賞」を獲得しました。同賞は世界各国のクルマのプロが平等かつ公平に評価するものですが、世界は「インスター」の実力をすでに認めているというわけです。

 この受賞に対し、ヒョンデ・モーターカンパニーのホセ・ムニョス社長兼CEOは次のようにコメントしています。

「『インスター』は発売以来、お客さまから高い評価をいただいています。魅力的なデザイン、航続距離、快適なドライビング特性、直感的なインフォテインメント、そしてお客さまに高く評価されるテクノロジーの組み合わせは、ヒョンデが『お客さまに卓越した価値を提供する』という姿勢を象徴しています。ワールド・カー・アワードでも高い評価をいただき、大変うれしく思っています」

 ちなみに現在のところ、オンラインでのダイレクト販売が基本となるヒョンデ車ですが、「インスター」の発売に伴い、インポーターのヒョンデモビリティジャパンは各地にショールーム(Hyundai Citystore)や試乗拠点(Hyundai Driving Spot)の拡充を進めています。

 新しい「インスター」は、そうした拠点で実際に見て・触って・乗って実力を確かめる価値のある1台といえそうです。

Gallery 【画像】「えっ!…」日本の都市にジャストな選択肢!? これがヒョンデのコンパクトBEV「インスター」です(30枚以上)
「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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