マイバッハの最新モデルで「メルセデスの底力」を改めて実感! 操っても乗っても“無の境地”に達する「EQS 680 SUV」のスゴさとは?
“最善か無か”というフレーズを思い出させる「EQS 680 SUV」
メルセデス・ベンツが展開するBEV(電気自動車)の頂点に立つメルセデス・マイバッハ「EQS 680 SUV」に触れて脳裏をよぎったのは、“最善か無か”というフレーズでした。

それはかつて、メルセデス・ベンツの理念を表す言葉として使われていたもの。「妥協せずに完璧を目指す」ことであり、「最善を尽くさなければ無と同じで、中途半端なものは存在しない」という意味なのだそうです。
といっても、「EQS 680 SUV」が完璧だといいたいわけではありません。筆者(工藤貴宏)で強調したいのは“無”の方。「EQS 680 SUV」は最善を尽くしすぎて、まるで悟りを開いたかのような心境になれる“無の境地”にあったからです。
このモデルはなんといっても“フツー”に走ります。「そんなの当たり前だろ!」と思う人がいるかもしれませんが、「EQS 680 SUV」は3トンを超える超ヘビー級。一般的に、そんな重いクルマなど加速は苦しいものですし、コーナリングも減速も苦手。のろまな亀になってしまいがちです。重さは“足かせ”そのものですからね。
それなのに、「EQS 680 SUV」ときたらフツー(どころか、それ以上!)に加速して、フツーにコーナリングして、フツーに止まる。運動性能に関して、ドライバーが重さを感じないよう完璧に仕立ててあるのです。大きなハンデを背負っているにもかかわらず、当たり前のことを当たり前にこなせる……それがスゴいのです。
ドライブしていて、まるで1トンくらいのクルマじゃないかと錯覚するほどの運動性能は、強く主張することこそないものの、実はとてつもなくハイレベルなこと。重さを全く意識することなく運転できることに、筆者は驚愕というか感動したのです。ボーっとしていても普通に運転できる……それこそ“無”ではないでしょうか。
しかも“無の境地”はそれだけではありません。「EQS 680 SUV」を運転していると、気づけばドライバーの心も“無”になっているのです。まわりのすべてに寛大に接することができる、仏のような心になれるのです。何がそうさせるのか? それは“余裕”と“ゆとり”にほかなりません。
例えば加速。「EQS 680 SUV」は最高出力236ps、最大トルク346Nmのフロントモーターと、同422ps/609Nmのリアモーターを組み合わせた電動4WDで、システム最高出力は658ps、同最大トルクは955Nmと常識外れの出力を生み出します。
おかげで、BEVならではのなめらかで上質な加速だけでなく、その気になってアクセルペダルを深く踏み込めば、0-100km/h加速4.4秒(欧州仕様)という俊足を発揮します。周囲のクルマを置き去りにすることなんて、朝めし前なのです。
そんな高性能スポーツカー級の加速性能を心の余裕として持つことで、“能ある鷹は爪を隠す”状態で周囲と接することができるというわけ。その気になれば周囲を圧倒できる余裕が、心のゆとりとなって仏のような気持ちにさせてくれる……それが「EQS 680 SUV」というクルマなのだと分かりました。
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