世界でたった1台のスペシャルカー! 伝説のカロッツェリア“ベルトーネ”が手がけたワンオフ・スーパーカーがオークションに登場 どんなクルマ?
ベルトーネの創業100周年を記念したスペシャルモデル
スイスのスタビオで開催されるRMサザビーズのオークションに、2012年型のベルトーネ ヌッチオというクルマが出展されます。どんなクルマなのでしょうか。

21世紀の25年間、いくつかの著名なコーチビルダーが、さまざまな顧客から依頼された魅惑的なスペシャルモデルを数多く生み出してきました。
ピニンファリーナ、トゥーリング、そしてザガートなどは、大手メーカーとコラボしたモデルを製作したり、また裕福な顧客のためにコンセプトカーやワンオフのスペシャルモデルを製作してきました。
そんなコーチビルダーのひとつ、ベルトーネは創業100周年を記念して、創業者ジョヴァンニ・ベルトーネの息子であるヌッチオ・ベルトーネの名が与えられた「ヌッチオ(Nuccio)」を製作しました。
デザインディレクターのマイケル・ロビンソンは、ベルトーネの最も象徴的なワンオフモデルのひとつである1970年に製作されたランチア「ストラトス ゼロ」をインスパイアし、そのデザインを21世紀に向けて再構築しました。
ストラトス ゼロは2025年4月に幕張メッセで開催されたオートモビルカウンシルでも展示されたので、実車を見た人もいることでしょう。
パワーユニットは4.3リッターのV型8気筒エンジンで、ステアリングコラムに取り付けられたパドルで変速する、F1タイプの6速ATを組み合わせました。
そのデザインは画期的でしたが、車内での快適性を考慮して、設計段階でインテリアの人間工学を配慮しています。
ユニークなのはブレーキをかけるとヘッドランプの一部が青く光り、横断中の歩行者などにヌッチオが減速していることを知らせるシステムを備えていました。
ヌッチオは2012年のジュネーブ モーターショーで初公開され、そのデザインは間違いなくショーの展示車で最も先鋭的で先進的 なものでした。
ショーに展示されたヌッチオは走行不可能でしたが、ショーの後にトリノのベルトーネ本社で走行可能な状態に完成されました。
デザインはほぼ変わらず、ノーズに特徴的なラップアラウンド ヘッドランプを残しながら普通のヘッドランプが追加され、フロントウインドーを大きくして、シングルワイパーが装備されました。
その後、ヌッチオは米国でも展示され、米国市場への導入が検討されましたがベルトーネは苦境に陥り、2015年に破産を申請しました。
ヌッチオは、破産前にベルトーネがデザインした最後のクルマとなりました。
ベルトーネは保有していた多くのスペシャルモデルをオークションで売却しましたが、ヌッチオは売れ残り、同社の施設で保管されたままでした。
その後ヌッチオは、最初で唯一の個人所有者となる現オーナーに購入され、彼のコレクションになりました。
今回のオークションのカタログ掲載時、ヌッチオのオドメーターは2万9127kmを示していましたが、その大部分はヌッチオに改造される前のドナーカーが走行したものです。
近年のコーチビルダーが製作したクルマの中で、ヌッチオは間違いなく記憶に残る1台でしょう。
ベルトーネの歴史における重要な瞬間を象徴し、最も有名なコンセプトのひとつを現代に蘇らせました。
このクルマは将来、コンクール イベントなどでハイライトを浴びることは間違いなく、次のオーナーには、世界各地で開催されるコンクール イベントでこのクルマを披露する栄誉が与えられます。
この2012年型のベルトーネ ヌッチオ、オークションでの落札価格は40万ユーロ〜65万ユーロ(1ユーロ=約171円として、約6840万円〜約1億1115万円)と予想されています。
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