「え…Dレンジはどこ!?」メルセデス・ベンツ新型「CLA」も“シフトノブレス”採用! 20年前から続く“ダイレクトセレクトレバー”とは
操作系を革新したメルセデスの“新しい常識
独メルセデス・ベンツは2025年7月15日、新型「CLAシューティングブレーク」を世界初公開しました。同モデルでは、ステアリング右側に配置された新デザインの「ダイレクトセレクトレバー」が採用されており、同社が長年にわたり採用してきたシフト方式が継承されています。

少し前まではシフトレバーが基本でしたが、近年はシフト選択を行う操作方法やその種類が多種多様となっています。そんな中で、いち早く独自のシフトセレクター「ダイレクトセレクトレバー」を採用したのがメルセデス・ベンツでした。このダイレクトセレクトレバーはいつから採用されたのか? その経緯とは? 今回は、今さら聞けないダイレクトセレクトレバーのアレコレを紹介していきます。
現在、このシフトセレクターはメルセデス・ベンツの各モデルに共通して採用される操作系と言えます。Aクラスに乗ってもSクラスに乗っても、シフト操作はこのダイレクトセレクトレバーで行います。
この方式が初めて導入されたのは、2005年に登場したW221型のSクラスです。Sクラスは常に最新技術を搭載するフラッグシップモデルですが、この世代は特にハイテク装備が満載で、まさに技術革新と高級感の象徴といえるモデルでした。そのコンセプトや特徴を体現する装備のひとつとして、ダイレクトセレクトレバーが採用されたのです。以降、同様のシフト方式はメルセデス・ベンツの幅広いモデルへと採用が拡大されていきます。
ダイレクトセレクトレバーを採用する理由は複数あります。まず操作性の向上。ステアリングから手を離さずにシフト操作ができるこの方式は、特に前進と後退を繰り返す駐車シーンで便利さを実感できます。
さらに、室内空間の有効活用にもつながります。従来型のシフトレバーに比べて、ダッシュボードやセンターコンソールのスペースに余裕が生まれ、インテリアデザインや収納の自由度が向上するのです。
なお、日本では「ウィンカーと間違えて操作してしまいそう」といった声も聞かれますが、走行中に誤って操作してもいきなり「R(リバース)」などに入ることはなく、安全性に配慮された設計となっています。こうした点にも、安全性に対するこだわりが強いメルセデス・ベンツらしさが表れていると言えるでしょう。
このダイレクトセレクトレバーが登場して、すでに20年近くが経過していますが、採用車種が広がり続けているということは、それだけ市場で高く評価されている証拠とも言えます。今後もメルセデス・ベンツの主要モデルにおいて、重要な装備として採用され続けていくはずです。
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