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地下鉄乱入に川越えジャンプまで!? いすゞ2代目「ジェミニ」が見せた“伝説のスタントCM”に注目が集まる理由とは

2代目ジェミニの“やりすぎCM”に対するSNSでの反響とは

 この、卓越したクルマのコントロール技術という点で言うと、個人的にはパリ市街編より滑走路を使ったクルマのマスゲーム編(ワタシの勝手な命名です)の方が印象深かった記憶があります。

いすゞ2代目「ジェミニ」
いすゞ2代目「ジェミニ」

 10台以上のジェミニが一糸乱れずドリフトしたり蛇のように蛇行しながらすれ違ったり、さらには四方から連続交差したりと、ひとつタイミングを間違えればクラッシュ必至の構成は並みのドラテクでは決してなし得ないはず。

 クルマの左右を連結、あるいはリア部分だけホップアップさせるリフト装着といった明らかな改造による動きには醒めた目を向けていた当時のワタシ(イヤなガ……子供です。運転免許も持っていなかったくせに)も、この赤いジェミニたちの動きには心ときめかせたものでした。

 と、CMの話ばかりしてきましたが2代目ジェミニ自体も当時のコンパクトカーとしては力作と言える内容を持っていました。1980年代といえばクルマの駆動方式が一斉にFF化する時期ですが、ジェミニもこの2代目でFF化。当初は初代も併売されたことからモデルライフの前半は“FFジェミニ”と名乗っていました。

 エンジンは当初1.5リッターのガソリンのみでしたが、後からいすゞ得意のディーゼル仕様も追加。高性能モデルを用意するのは当時のコンパクトカーでは当然の“嗜み”でしたから、ジェミニにもドイツのチューナー「イルムシャー」の名を冠した仕様や、1.6リッターDOHCを搭載した「ZZハンドリング・バイ・ロータス(名前の通り英国のロータスが独自に味付け)」が登場。

 いすゞとは縁深い巨匠、ジウジアーロが原案を手がけたシンプルでいながら存在感も十分なエクステリアは、群雄割拠だったコンパクトカー市場でも好評を持って迎えられ、結果的にいすゞの乗用車では最大のヒット作となりました。

 2代目「ジェミニ」のCMについてSNSではどのような反響があるのでしょうか。

「パリの街並みで踊るように走る“ジェミニのバレエ”は衝撃的だった」「チャイコフスキーの音楽と車の動きが完璧に合っていて、いまだに覚えている」「“街の遊撃手”というコピーも秀逸で、内容がどんどんエスカレートしていくのが面白かった」といった声が多く寄せられました。

 また、「当時バブル絶頂期だったからこそ、あれだけの実写CMが作れたのだろう」「スタントにCGなしで本当に地下鉄ホームまで走ったというのが驚き」といったコメントも。CMの影響で「イルムシャーを買った」「ジウジアーロのデザインに惚れ込んだ」といった体験談も散見され、当時のCMが与えた影響力の大きさを物語っています。

 今なお“最も度肝を抜かれたクルマCM”として語り継がれるジェミニの広告表現。その強烈なインパクトに、いま改めて多くの反響が寄せられているのです。

Gallery 【画像】“街の遊撃手”ってどんなクルマ!? CMに登場した伝説のいすゞ2代目「ジェミニ」を写真で見る(9枚)
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