「このまま市販してほしい!」トヨタ次期型「カローラ」はなぜ超スポーティなルックスに? 60周年を迎えるビッグネームが“大衆車を再発明”
なぜ「カローラ」が“大衆車らしくない姿”に変わるのか?
トヨタ自動車を代表する世界戦略車「カローラ」。その次期型はこれまでのイメージから大きく変わろうとしています。
2026年7月19日に『NHKスペシャル』が次期型「カローラ」の開発現場を放送したこともあり、次期型がどのような姿で登場するのか、改めて関心が高まっています。
次期型「カローラ」は、どのような方向へ進むのでしょう? その思想を読み解く手がかりとなるのが、「ジャパンモビリティショー2025」で世界初公開された「カローラコンセプト」です。
トヨタの「カローラ」は、1966年に初代モデルが誕生。2026年秋に60周年を迎えます。世界150以上の国と地域で販売され、グローバル累計販売台数は5700万台を超えるなど、トヨタ、そして日本を代表する大衆車のひとつです。
「カローラ」がこれまで長く支持されてきた理由は、何かひとつの性能が突出しているからではありません。手に入れやすい価格設定に加えて、優れた燃費、耐久性、そして、室内の広さや日常シーンでの扱いやすさなど、多くの人がクルマに求める要素をバランスよくまとめてきたからこそ、いつの時代も人気をキープしてきました。
また、販売地域によって異なる道路環境や生活スタイルにも対応し、通勤や買い物、家族での移動、仕事、レジャードライブなど、人々の幅広い用途を支えてきたことも大きな要因といえます。
しかし、誰にとっても使いやすい、ということを追求するほど、デザインやキャラクターは保守的になりがちです。「カローラ」には長年、“堅実”や“無難”といった安心感がある一方、“面白みに欠ける”という評価もつきまとってきました。

その従来からのイメージを大きく覆したのが「カローラコンセプト」です。エクステリアは、低いボンネットとワイドなボディ、後方へなめらかに流れるルーフラインを組み合わせたワイド&ローのプロポーションが目を惹きます。その姿は、一般的な4ドアセダンというよりも、4ドアクーペを思わせます。
近年のトヨタ車に共通する“ハンマーヘッド”を思わせるフロントマスクを採用。左右をつなぐ横一文字のLEDライトと鋭いライト形状により、車体の低さとワイドさを強調しています。一方、余分な装飾を抑えたボディ側面には、張りのある面と大きく張り出したフェンダーを組み合わせており、止まっていても前へ進みそうな躍動感を演出しています。
これまで親しみやすさや安心感を前面に出してきた「カローラ」とは、明らかに異なるデザインを採用した「カローラコンセプト」。公開後には、そのまま市販化して欲しいという期待や、セダンへの関心を示す反応がSNS上で見られました。海外でも、従来の保守的なイメージを大胆に刷新したデザインとして注目を集めています。
では、なぜトヨタは、世界を代表する大衆車である「カローラ」を、ここまでスポーティに変えようとしているのでしょうか。
「ジャパンモビリティショー2025」でのトヨタのプレゼンテーションには、世界では道路環境やエネルギー事情が異なる一方、カッコいいクルマに乗りたいという思いは多くの人に共通するとの一文がありましたパワートレインの違いにかかわらず、誰もが乗りたくなるカッコいいクルマをつくる……その考えを具現したのが「カローラコンセプト」なのです。
世界的にSUV人気が続く一方、セダンやハッチバックは単に実用的なだけでは選ばれにくいカテゴリーになっています。特に若い世代にとって、クルマは必ずしも生活必需品ではありません。せっかく所有するのであれば、機能だけでなく、見た瞬間に欲しいと思わせるデザインや、運転することへの高揚感が求められます。
「カローラ」がこれからも“世界の定番車”であり続けるためには、これまでの安心感だけでなく、感情へ訴える魅力を備える必要があります。「カローラコンセプト」の大胆な姿は、そうした課題に対するトヨタの回答と見ることができます。
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