「このまま市販してほしい!」トヨタ次期型「カローラ」はなぜ超スポーティなルックスに? 60周年を迎えるビッグネームが“大衆車を再発明”
スポーティでも“みんなのクルマ”であり続けられるか
もっとも、「カローラ」は一部のクルマ好きのためのモデルではありません。世界各地で幅広い年代のユーザーが、さまざまな用途に利用するクルマです。低く流麗なシルエットを採用する一方、乗り降りのしやすさ、前方視界、後席空間、荷室といった実用性が損なわれるようでは、「カローラ」本来の存在意義から外れてしまいます。
そこで「カローラコンセプト」は、スポーティなルックスと広く使いやすいキャビンを両立すべく、“MAX VISION”と“MAX SPACE”という考え方を採用しています。
インパネの高さを抑えることで低い車体でも前方視界を確保し、視覚的な開放感も追求。同時に、限られたボディサイズの中で乗員が使えるスペースを最大限に確保し、エクステリアデザインから想像する以上に、広さを感じられる室内を目指しています。
また、シートごとに“異なる過ごし方”を提案しているのも特徴です。運転席は、ドライバーが運転に集中しやすいコックピットとして設計。必要な情報を表示するディスプレイや操作系をドライバーの周囲に集約しています。
一方、助手席には専用ディスプレイを配置し、移動中に各種情報を得たり、エンターテインメントを楽しんだりできる空間に。また後席は、落ち着いてくつろげるラウンジのような空間を目指しています。
スポーティなデザインでありながら、ドライバーだけでなく、乗る人すべてに価値を提供しようとしているのがうかがえます。
実はこの考え方は、「カローラ」の本質と通じるものがあります。見た目は大胆に変わっても、「カローラ」は“一部の人のためのクルマ”ではなく、“多くの人が使いやすいクルマ”であることは譲れない……そのために、従来とは異なるパッケージングに挑戦しているのでしょう。

さらにパワートレインについても、新たな可能性を模索しています。「カローラコンセプト」はBEV(電気自動車)だけでなく、プラグインハイブリッドやハイブリッド、ガソリンエンジンなど、複数の動力源に対応する“マルチパスウェイ”を前提に設計されています。
世界各地では、充電インフラや電力事情、燃料価格、ユーザーの使い方などが大きく異なります。BEVが適している地域もあれば、ハイブリッド車の方が使いやすい地域、エンジン車を必要とする地域もあります。
特定のパワートレインを世界中の人々に押しつけるのではなく、それぞれの地域やユーザーに合った選択肢を選べるようにする……こうした地域ごとの事情を踏まえた考え方も、長年、グローバルモデルとして展開されてきた「カローラ」らしいものといえるでしょう。
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コンセプトカーの大胆なデザインがどこまで市販モデルにも継承されるのか。そして、スポーティさと「カローラ」らしい実用性をどのようにして両立するのか。次期型「カローラ」は、世界の定番車が次の60年へ進むための“大衆車の再発明”となるかもしれません。
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