ソーラーカーが3000キロ先を目指す世界最高峰のレース「ブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジ2025」オーストラリアで開催 日本の4チームの活躍とは
11回目の出場となる強豪「東海大学ソーラーカーチーム」
今回、取材したのは8月23日にアデレードで行われた予選の模様と、翌24日に行われた本戦のスタートです。

アデレード近郊にある「ヒドゥンバレー・レースウェイ」という、全長2.87kmのサーキットで全チームの車検が行われ、マシンがレギュレーション要件を満たしているかどうかチェックされます。
さらに8の字ループ走行やブレーキテストなどのダイナミック検査が行われ、必要なチェックをすべて通過すると、チームには公式のBWSC登録ナンバーが授与されます。
その後、サーキットコースを使ってのホットラップ(タイムアタック)が行われ、ここでの順位で本戦のスタートの順番が決まります。

約3000kmを走破するソーラーカーレースのため、素人目には、スタート順などはそれほど影響がないのではないかと思ったのですが、じつはこれがとても重要なのだそう。一般道を走るBWSCにおいて、他のチームを追い抜くことは、一般のクルマの走行もあって難しさがともなうということ。とくに上位を狙うチームにとっては、このタイムアタックは気合いの入るところです。
サーキットのピット上のテラスには、チームメイトが大歓声で自分のチームを応援します。
タイムアタックは1チームずつ行われます。マシンを見ていくと、チャレンジャークラスは、今回は3輪の車体が多い印象。主流は前1輪/後2輪のモノハル(単胴)タイプですが、前2輪/後2輪、もしくは左右1輪/2輪のカタマラン(双胴)タイプのチームもあり、バラエティに富んでいます。また普通車にスタイリングが似ているクルーザータイプもじつにさまざまな形があります。
タイムアタックを見ていて驚いたのは、その速度。今回、メインスタンドではなく最終コーナーの見える場所で取材をしていたのですが、スキール音を上げながらコーナリングしていくマシンも多く、迫力満点。結果、ドイツの#07ゾンネンワーゲン・アーヘンが1分52秒51、速度91.83km/hでトップタイムを叩き出しました。
翌日8月24日8時、ダーウィンのノーザンテリトリー州政府事務所から本戦がスタート。予選での順位ごとに、1分おきに各チームが3000km彼方にあるアデレードに向けて出発していきました。
出走前、日本の4チームに話を聞くことができました。
●東海大学ソーラーカーチーム
1993年からこのBWSCに参加しており、今回で11回目の出場となる東海大学ソーラーカーチームは、2009年と2011年の大会で2連覇を達成している強豪チーム。前回大会も総合5位と日本チームのなかでトップの成績でした。

今回は、これまで制作したなかでも一番軽いという新マシン、#10「Tokai Challenger」を開発。チーム監督の木村英樹教授は2025年3月に東海大学の学長に就任した工学部機械システム工学科の先生で、今回のBWSCでもエネルギーマネージメントを学長自ら担当します。

「学内のプロジェクト活動として、チームは全部で50人ほどです。学生ならどの学部でも参加することができ、『チャレンジする学生を応援していこう』を合言葉に、教職員と学生が一緒になってやっていくチームになっています。この大会は割と人間力が鍛えられるんです。忍耐力、交渉力、さまざまなものが学べます。
東海大学の強みは総合大学であることです。エンジニアリングだけでなくデータサイエンスとか、航空宇宙分野の専門もいますので。またうちのチームの広報は経営学部だったり、総合力が強みになります。ソーラーカーを学ぶのであれば、東海大学は世界トップレベルのものが学べるんじゃないか、と自負しています」と木村先生は語ります。

※ ※ ※
東海大学ソーラーカーチーム#10「Tokai Challenger」は8月28日、「ウェスタン・シドニー・ソーラーチーム」の猛追を振り切り、ゴールのアデレードにフィニッシュ、日本チームトップの5位で完走しました。
東海大学の学長でもある木村英樹監督は、「オーストラリアの雄大な環境で世界各国のエンジニアと競い合う場は、学生にとって大きな成長の機会になります。主催者や大会スポンサー、チームを支えてくださった皆さまに心から感謝を伝えたい」とコメントしました。
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