“デートカー”と“スポーツカー”の魅力を融合した集大成!「快適ドライブ」と「病みつきになる走り」を兼備したホンダ新型「プレリュード」のスゴさとは?
「ハイブリッドのスポーツカー」を目指して開発がスタート
「プレリュード」と聞いて真っ先に頭に浮かんだのは、1982年、僕(嶋田智之)が18歳のときにデビューした2代目にまつわる思い出でした。

日本車ばなれしたそのルックスに思わず「カッコいい」と思わされたこと。そして、その2代目に乗るドライバーに、意中の女性をまんまと連れ去られてしまったこと……。あれは白い2代目に乗る男ではなく、絶対に「プレリュード」そのものにさらわれてしまったのだと、今でも恨みがましい気持ちでいたりします。
もしかしたら、僕と同世代の人たちの間には、似たような思い出を持つ人が少なくないかもしれませんね。
初代「プレリュード」がデビューしたのは1978年。そして、5代目の生産が終了したのは2001年。なかなか長い歴史を持ったネーミングです。当然ながら、世代によって思い浮かべることも思い出すことも異なるでしょう。
1978年デビューの初代は、ワイド&ローの端正なスタイリングと標準装備の電動サンルーフが、イヤでも“スペシャルティカー”であることを実感させてくれたモデルでした。
1982年登場の2代目は、エレガントな雰囲気が男性のみならず女性をも魅了。“デートカー”という言葉も生み出した“洒落者系スペシャルティクーペ”でした。
1987年にお目見えした3代目は、キープコンセプトのままカッコよさが磨き上げられ、さらには、ニュルッとした走りの違和感が逆に楽しいメカニカル4WSが採用されるなど、魅力を大きく膨らませていました。
1991年に誕生した4代目は、スタイリングがちょっと骨太になり、走りのテイストも一気に雄々しさが色濃くなって、スペシャルティクーペからスポーツクーペに変貌を遂げたかのようでした。
1998年に発表された5代目は、先代で明確になったクッキリとしたスポーツテイストと快速っぷりを、最新技術を駆使してさらに突き詰めたようなノッチバッククーペでした。
そして先日、6代目となる新型「プレリュード」が約25年ぶりに登場しました。発表を前に、チョイ乗りだけど歴代モデルすべてに改めて触れることができましたし、発表直前には“ほぼ”市販版といえる最終のプロトタイプもドライブできました。
それを踏まえて、新型はどうなのか? 結論からいうと、新型は歴代それぞれのエッセンスをすべて盛り込んだような、ある意味「プレリュード」としての集大成というべきモデルに仕上がってるな、と、僕は感じたのでした。
最初から「プレリュード」として企画されたモデルではないということですが、出来上がったものは見事なまでに「プレリュード」だったのです。
そもそものスタート地点は、「ハイブリッドのスポーツカーをつくりたい」というところだったそうです。ホンダが展開する「シビック タイプR」はパフォーマンス的には間違いなくスポーツカーの範疇ですが、車体は紛うことなきセダンです。
“らしい”スポーツカーとはクーペあるいはオープンボディであるべきという思いがどこかにあったのだろうな……と簡単に想像できてしまうのは、ホンダがこれまで名作と呼べるリアルなスポーツカーをいくつも生み出してきたという事実があるからです。
それに、いまやイタリアンスーパーカーですら電動化を受け入れざるを得ない時代です。未来のラインナップはすべて電気自動車か燃料電池車にすると公言してきたホンダですから、やはりスポーツカーといえどモーター駆動をチョイスするのは当然の流れだったはずです。
その結果、新型「プレリュード」が採用したパワートレーンは、「アコード」などと全く同じ2リッターの“e:HEV(イーエイチイーブイ)”。高速クルージングのとき以外は発電をメインの仕事にするエンジンが141psと182Nm、駆動用のモーターが184psと315Nmを発生するというスペックもほとんど変わっていません。車重は120kgほど軽いけど、パフォーマンスは大体「アコード e:HEV」くらいと思っていただいていいでしょう。
それを支えるプラットフォームは、「シビック」や「シビック タイプR」系をベースにショートホイールベース化したもの。サスペンションは、フロントの“デュアルアクシスストラット”を始め、強化型の各種アーム類、電子制御式連続可変ダンパー、強化型のステアリング系、ブレンボ製キャリパーを含むブレーキシステムなどほとんどの部分が「シビック タイプR」から移植されたものです。
ですが、もちろん“まんま「タイプR」”ではなく、セッティングは「プレリュード」専用。前後のスプリングやスタビライザー、ダンパーの減衰力、マウント類やブッシュ類は「プレリュード」専用です。
スタイリングはご覧のとおり。フロントエンジンのクーペにしてはキャビンのピークが前側に位置してるのですが、これは開発コンセプトである“UNLIMITED GLIDE どこまでも行きたくなる気持ちよさ×非日常のときめき”のベースにある、滑空するグライダーをイメージしたからでしょう。
僕などは感覚が古いので、フロントエンジンのクーペはノーズが長くてキャビンのピークが後ろ側に寄った古典的なシルエットの方が好きだったりするのですが、新型「プレリュード」は全体のまとまりがいいこともあって、これはこれでカッコいいな、なんて思わされたものです。
インテリアのデザインは、実にクリーンな水平基調。ダッシュまわりの落ち着いたT字型レイアウトや各種素材の色調には、いわゆるガキっぽさや妙に軟派な感じは微塵もなく、とても大人な雰囲気。装備類は先進運転支援システムを含め、足りないモノなんてないんじゃないの? と思えるくらいの充実ぶりです。
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