“デートカー”と“スポーツカー”の魅力を融合した集大成!「快適ドライブ」と「病みつきになる走り」を兼備したホンダ新型「プレリュード」のスゴさとは?
“デートカー”と“スポーツクーペ”という歴代モデルの魅力を凝縮
先ほど僕は新型「プレリュード」のことを“歴代それぞれのエッセンスをすべて盛り込んだような”、“見事なまでに「プレリュード」”と表現しました。

「プレリュード」の歴代モデルをあえて大きくふたつに分けるなら、初代から3代目までのカップルでクルージングするのが似合うエレガントなスペシャルティクーペと、4代目と5代目のパフォーマンスとドライビングファンにこだわった俊足スポーツクーペ、とすることができるでしょう。
簡単ないい方をするなら、新しい「プレリュード」はその両方が無理なく矛盾もなく1台の中に同居し、クルマとしてきれいなまとまりを見せているのです。
まず、スペシャルティクーペとしての「プレリュード」から先に話しましょう。昔は自然に“デートカー”と呼ばれ、その新しいカテゴリー(?)の代名詞となったのが「プレリュード」です。
が、いまや“デートカー”なんて言葉は死語となり、かの時代を生きた世代にはちょっと甘美な響きを覚えさせるかもしれませんが、若い世代にはきっと全く響かず、むしろダサさの象徴くらいに思われるかもしれません。そもそも“クルマでモテる”なんてことは、イマドキありえない時代なのです。
けれど、恋人や夫婦、親子、親しい友だちといった大切な人を隣に乗せて特別な時間を過ごしたいという気持ちは、この世に自動車というモノが誕生して以来、全く普遍。時代が移ろうとも、そこに変わりはありません。
新しい「プレリュード」は、まずドライバーもパッセンジャーも、とても快適です。視界がいい……というか、視界がすっきり開けて気持ちいい。運転席と助手席の適度な距離感がいい。シートの座り心地がいい。そして何より、サスペンションの出来栄えのよさから来る乗り心地がいい。
プロトタイプを試乗したのは完全クローズドのワインディングロードのようなところで、路面は基本、きれいだったのですが、それでもところどころに凹凸やうねり、段差などがあるわけです。
そんなコースで新型「プレリュード」をドライブしたのですが、走り始めて100mもしないうちに思わず「これ、いいなぁ……」とつぶやいちゃいました。それは、そうした路面から来る外乱をしなやかに吸収し、雑味として感じさせない、なめらかな乗り心地から来るものでした。
新型「プレリュード」には「コンフォート」、「GT」、「スポーツ」という3段階の走行モードが用意されていて、まさにそれぞれの名前どおりの乗り味を示してくれるのです。
「コンフォート」が実に当たりのやわらかいフラットライドなのは、ある意味、当たり前としても、飛ばすのに最も都合のいい「スポーツ」ですら、ギュッと引き締まってるのにガチンと跳ね返るような硬さとはまるっきり無縁で、「ウソだろ?」と思ったくらいの快適さを感じさせてくれました。
いわれないと気づかないところではシートにも工夫があって、運転席には運転席の、助手席には助手席の必要条件があることから、左右のデザインやつくりを変えてたりもするのです。大切な人とのクルージングで乗るクルマとしての、実に細やかな気配り。
“デートカー”という言葉が今も生きていたなら、新しい「プレリュード」は間違いなく、そのピカイチ級のレベルにあると感じます。
では、スポーツクーペとしての「プレリュード」はどうか? 先述したとおり、パワートレーンが「アコード」と共通の2リッターのe:HEVですから、「シビック タイプR」のような強烈な速さがあるわけでもありません。
モーター駆動ですから、加速そのものはかなり強力で、「胸がすく」とはこのことだと感じるくらいの気持ちよさなのですが、その伸びもある程度のところまで。不満がないくらいのところまでは伸びますし、そこからの高速巡航性能も十分満足できるレベルにはあるのですが、思わず満面の笑みを浮かべてしまうような楽しさや気持ちよさがあるかといえば、そういうわけでもありません。
ところが、です。新型「プレリュード」の大きなトピックのひとつといえる“ホンダS+シフト”のボタンをプッシュしてみたら、呆気に取られちゃうくらい走りの世界観が変わったのです。
この機構は、モーター駆動ゆえ本来なら存在しないギアのアップ&ダウンという変速フィールに、それときっちりシンクロしてオクターブを上下させたりブリッピングを聞かせたりするエンジンサウンドなどを演出し、ドライバーの感性に訴えかける制御装置。
とはいえ、あくまで擬似的なもの、つまりニセモノじゃね?……と試乗前にはナメてたところがあったのですが、いやいや、おわびします。ごめんなさい。いかに擬似的な装置とはいえ、抜群に出来がよければ、人間はいとも簡単に気持ちよさや楽しさを感受しちゃうものなのですね!
試乗の途中からはすっかり8段のDCT(デュアルクラッチ式トランスミッション)を操ってるような気分となり、ニヤニヤ笑いながらコースを周回していました。変速パドルも備わっていて、それこそ指先操作で瞬間的な変速(疑似だけど……)の気持ちよさを味わうこともできるのですが、完全なオート、つまりクルマまかせの変速(疑似だけど……)の方が、さらに楽しめるかもしれません。
加速時にはエンジンのサウンドの高まりから「ココだろ」と思った瞬間にシフトアップ(疑似だけど……)するし、コーナーの侵入時はブレーキを少し残しながらターンしていこうとしたら「パーン、パーン」と小気味よく2段分シフトダウン(疑似だけど……)してくれます。おかげで、実際の加速や速度の伸びは「シビック タイプR」の足元にも及ばないのに、感覚的には全く負けず劣らずの速いスポーツカーを走らせてる気になってきます。
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