ポルシェ自慢の“T-ハイブリッド”を搭載したエレガントな「911タルガ」の魅力とは? 水平対向6気筒ターボのハイブリッドは541馬力! 美しさも速さも極上です
“T-ハイブリッド”の極めて自然なフィーリングに驚き
「911 タルガ4 GTS」のドライバースシートに腰を下ろすと、他の“タイプ992.1”と同様、12.6インチの湾曲した一体型フルデジタル式メーターパネルが目に飛び込んできます。

当初、「911」らしさという点で残念な気持ちにさせられたこの液晶パネルですが、従来と変わらぬ5眼表示モードも用意されており、今ではすっかり違和感はありません。
また、ハイブリッドシステムやドライブモードの状況など「911 GTS」はドライバーが確認すべき情報が増えており、表示部の拡大は当然の流れといえるでしょう。
そんな「911 タルガ4 GTS」で走り出してすぐ驚かされたのは、クーペとの相違のなさでした。
カタログ上の空車重量はクーペが1660kg、「タルガ4 GTS」は1760kgと100kgの重量増となっています。これは大人1.5人分の重量に相当し、増加した分は車体上部に集中しています。
とはいえ、神経をクルマの動きに集中して走らせてみても、感じられるのはコーナーなどではクーペよりわずかに車体が動いているな、というレベル。もちろん、サーキットなどに持ち込めばもっと違いを感じられるのかもしれませんが、少なくとも公道ではネガティブに感じる挙動などはありません。
一方、4WDの効果もあって、ちょっとしたワインディングでのスタビリティは圧倒的。500馬力オーバーのパワーを秘めた“電動化フラットシックス”を、安心して楽しむことができました。
気になる“T-ハイブリッド”は極めて自然なフィーリングで、電気的なノイズも完全といっていいほど排除されています。
ユニークなのは、このハイブリッドシステムにはモーターのみで走れるモードがないこと。燃費の向上に限らずスポーツ走行においても、エンジンのサポートに徹する仕組みとなっています。
また、ルーフを開け放てば、後方から聞こえてくるエンジンサウンドはより歯切れがいいものとなり、フラットシックスらしい金属的な響きやビートをしっかり感じることができます。

快適性については、クーペと比較しても遜色はありません。リアシートはエマージェンシー用という広さながら、かさばる荷物を収めるには十分すぎるほど。
また、複雑なルーフ開閉メカニズムを有しているものの、荒れた路面でもボディからのきしみ音は一切聞こえてきませんでした。
* * *
多彩なモデルがラインナップされている「911」シリーズですが、いずれも独特な個性があり、甲乙つけがたい魅力に満ちています。
そんな中、「911 タルガ4 GTS」は眺めてよし、走ってよし、さらには実用性も十分と、まさに才色兼備なキャラクターでした。
ヒストリーに加えて、たくましくも美しいたたずまいを目の当たりにすると「果たして自分と釣り合うだろうか……」と思ってしまうほど。そんな完全無欠ぶりが唯一の弱点かもしれませんが、欲張りなスポーツカー愛好家を納得させる1台であることに間違いはありません。
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