ロールス・ロイス「ファントム・センテナリー」世界初公開 ファントム誕生100周年を記念した25台限定の“特別なモデル”はすでに完売
ロールスロイスのフラッグシップサルーン登場から100周年
ロールス・ロイスが新しいプライベート・コレクション「ファントム・センテナリー」を発表しました。

センテナリーは100周年の意味。つまり、「ファントム」というモデルがデビューして100周年を迎えたことを記念して制作された特別仕様車が、このファントム・センテナリーということになります。
ひとつのモデルが100年間も途切れることなく作り続けられてきたとは驚きです。同じモデル名を使い続けてきた自動車としては、おそらく世界でもっとも長い記録ではないでしょうか。
これもロールス・ロイスが1906年創業と長い歴史を誇っているからこそ実現できた記録といえます。
もうひとつ驚きなのは、100年間の歴史を持つファントムが、現行モデルでまだ8世代目に過ぎない点にあります。つまり、1世代あたり平均で12年以上のモデルライフだったことになります。
ちなみにファントムはロールスロイスのフラッグシップサルーン。それだけに、1世代ごとに丹精込めて作り上げてきた歴史が100周年を迎えたと捉えることもできます。
先ほど私はファントム・センテナリーを「特別仕様車」と表現しましたが、日本車などによくあるお買い得モデルや内外装にちょっと手を加えただけの「特別仕様車」とは、だいぶ意味合いが異なります。
というのも、プライベート・コレクションはロールスロイスが誇るビスポーク部門が自らのプライドを賭けて作り上げた限定モデルで、そこにはロールスロイスが初めて用いる技術や工法が少なからず採用されているほか、そのデザインもはっと息を飲むほど美しい“作品”だからです。それは、もはや芸術の域に達しているといっても過言ではありません。
それではファントム・センテナリーについてご紹介しましょう。
まずはリアシートをご覧ください。そこには、まるでリアシートをキャンバスに見立てたかのような、大胆で迫力あるスケッチが描かれています。
これはロールスロイス社内のデザイナーによる作品ですが、その精密な筆致はまるでシート生地に直接描き込まれたようにも見えます。
もっとも、そんな作り方をしたら、せっかくのスケッチが何年も経たないうちに滲んできたり、染料が乗員の服に移ってしまっても不思議ではありません。そのようなことは、常に“完璧”を追求し、1台のモデルが世代を越えて使い続けられるロールス・ロイスでは絶対に許されないことです。
では、このリアシートがどのようにして作られたかといえば、これまでオートクチュール(まるで芸術作品のように一品モノで作られる超高級婦人服を指します)だけを手がけてきたファション・アトリエと協力して、何世代にわたって使い続けても傷まない特別な生地(ファブリック)を開発。
そこに高解像度プリントを用いてスケッチを転写したうえで、元のスケッチを際立たせる16万針(!)もの刺繍を施すことにより、美しく立体的でありながら耐久性にも優れたリアシートに仕上げたといいます。

しかも、リアシートのクッションは立体的な形状をしていますから、ただ生地を張っただけではもともとのスケッチを再現することはできません。そこで、1枚1枚の生地をどうカットし、どう組み合わせたらオリジナルのスケッチに近づけられるかを綿密に検討したうえで制作されたといいます。まさに気の遠くなるような作業といっていいでしょう。
ちなみに、リアシートに描かれているのは、ロールスロイスゆかりの土地、歴代ファントム、そしてファントムの各世代を代表する7名のオーナーだそう。そんな歴史を感じさせるモチーフが似合うのもロールスロイスだからこそといえそうです。
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