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半世紀前の「デイトナ」がオークションに登場 158台しか作られなかった貴重な“右ハンドル車” 流麗なボディラインが美しいフェラーリ「365GTB/4」の現在の価値とは

フロントにV12エンジンを搭載する最後のフェラーリ

 2025年11月に英国ロンドンで開催されるRMサザビーズのオークションに、1972年型のフェラーリ「365GTB/4」デイトナが出品されます。

 どんなクルマなのでしょうか。

オークションに出品予定の1972年式フェラーリ 365GTB/4「デイトナ」Dean Wright(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品予定の1972年式フェラーリ 365GTB/4「デイトナ」Dean Wright(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

 フロリダのサーキットで開催されるデイトナ24時間レースで、1967年にフェラーリ「330 P4」が勝利を収めたことをきっかけに、365GTB/4は通称「デイトナ」と呼ばれるようになりました。

 デイトナは、フェラーリにとって始まりでもあり、終焉でもあるのです。

 ピニンファリーナのレオナルド・フィオラヴァンティがデザインしたボディを持つ365GTB/4は、それまでのフェラーリの伝統であった、フロントにV12エンジンを搭載する最後のフェラーリとなったのです。

 フィオラヴァンティのデザインは、それまでのフェラーリが採用していた柔らかくうねるようなラインから大きく転換されました。

 ライバルであるランボルギーニ ミウラの未来的なスタイリングに対抗すべく、365GTB/4はそれまでのフェラーリのデザインに忠実ながら、さらに独創的なもので常識を打ち破るというものでした。

 こうして生まれた365GTB/4のスタイリングは紛れもなくフェラーリであり、1960年代に誕生したとは信じられないほど素晴らしいものです。

 外観はまったく異なりますが、365GTB/4は前身の275GTB/4から直接開発されました。

エンジンの排気量は1リッター以上も増加されましたが、クワッドカム、6基のツインチョーク ウエーバーキャブレター、ドライサンプの潤滑方式は踏襲されました。

 これらは、フェラーリのレースにおける圧倒的な成功からフィードバックされたものでした。

 トランスアクスル式レイアウトも踏襲され、275同様の卓越した前後重量配分も維持されていました。

※ ※ ※ 

 今回出品されたシャシナンバー「16331」の365GTB/4は、右ハンドル仕様で生産された、わずか158台の1台です。

 1972年2月に新車で納車された後、何人もの手に渡っています。

 ボディカラーはアルジェント オートゥイユと呼ばれるシルバーにヌヴォーラ(イタリア語で雲の意味)色のレザーという組み合わせでした。

さらに、クロモドラ製ホイール、バンパーバー、エアコンなどのオプションも装着されていました。

この365GTB/4は、スコットランドの実業家が1980年まで所有し、その後、フェラーリ 250SWB & 275GTB/4、ジャガー Cタイプ & Dタイプ、アストンマーティン DB4GTなどを所有する自動車愛好家のロマス氏の手に渡りました。

 彼はこの365GTB/4を非常に大切にし、すべての走行距離やメモを記録していました。

 走行記録簿には整備工場からの請求書なども多く添付され、1993年に施された再塗装についても記録されていました。

 ロマス氏は1998年に他界しましたが、彼がこの365GTB/4をどれほど愛していたかが分かります。

 この365GTB/4は2007年まで個人コレクションとなっており、その所有期間中はわずか900マイル(約1440km)しか走行していません。

 その後も何人かの手に渡りましたが、2017年後半に重要なコレクションの1台になりました。

 この365GTB/4、その美しいカラーコンビネーションだけでも十分に魅力的ですが、さらに驚くべきことに新車時からの来歴を詳細に記した履歴書が付属しています。

 ボディ、エンジン、ギアボックスはオリジナルのままの「マッチングナンバー」であり、しかも希少な右ハンドル仕様です。

 この1972年型のフェラーリ 365GTB/4「デイトナ」、オークションでの落札価格は38万UKポンドから46万UKポンド(1UKポンド=約203円として、約7710万円から約9340万円)と予想されています。

Gallery 【画像】フェラーリ「365GTB/4デイトナ」右ハンドルを詳しく見る(22枚)
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