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1000馬力超えのハイパーカーは脅威の最高速度407キロ! 15年前のブガッティを発見 走行距離は1万キロ 252台しか作られなかった「ヴェイロンEB16.4」とは

米国仕様向け76台のうちの1台がオークションに登場

 まもなく米国ラスベガスで開催されるブロードアローオークションにて、2010年式ブガッティ「ヴェイロンEB16.4クーペ」が出品される予定です。

 どんなクルマなのでしょうか。

まもなく米国ラスベガスで開催されるブロードアローオークションに出品予定の2010年式ブガッティ「ヴェイロンEB16.4クーペ」
まもなく米国ラスベガスで開催されるブロードアローオークションに出品予定の2010年式ブガッティ「ヴェイロンEB16.4クーペ」

 ブガッティ・ヴェイロンは、現代の自動車史においてもっとも重要な存在のひとつです。

 単にスピードの限界を押し広げただけでなく、公道を走る自動車の概念そのものを塗り替えたモデルでした。登場当時、比類なきエンジニアリングと性能を備え、記録を塗り替えながら新しい時代のハイパーカー像を確立し、ブガッティという名を再び世界最高峰のブランドの座へと押し上げたのです。

 ヴェイロンは、フォルクスワーゲン傘下となったブガッティにとって初の量産モデルでした。

 1990年代の終わり、当時フォルクスワーゲン・グループ会長だったフェルディナント・ピエヒ氏は「史上最高のエンジンを持つクルマを作る」という大胆な構想を掲げ、ブガッティという伝統と芸術性、技術力を兼ね備えた名門を選びました。

 1998年にブガッティが正式にフォルクスワーゲン傘下入りすると、ブランドはフランス・モルスハイムの本拠地で再出発を果たします。ピエヒの革新的な技術力とブガッティの歴史的遺産が融合し、かつてない現代のアイコンが誕生する土台が整ったのです。

 量産仕様のヴェイロンEB 16.4は、ハルトムート・ワークスが全体のデザインを監修し、外観をヨゼフ・カバンが手がけました。

 車名の「ヴェイロン」は1939年のル・マン優勝者ピエール・ヴェイロンに、「E.B.」は創業者エットーレ・ブガッティを讃えたものです。
 
 16.4という数字は、8.0リッターW16クワッドターボエンジンを意味しており、最高出力は1001馬力、最大トルクは1250Nmという圧倒的な性能を誇りました。

 7速デュアルクラッチとフルタイム四輪駆動を組み合わせ、10基のラジエーター、特注のミシュランタイヤ、カーボンセラミックブレーキを備えています。

 電子制御で最高速は時速213マイルに制限されていますが、付属の「スピードキー」を使いトップスピードモードを選択すると、時速250マイル(約400km/h)を超える世界へと解き放たれます。それでいて、室内はハンドステッチのレザー、アルミ、カーボンを巧みに組み合わせたラグジュアリーな空間となっており、ヴェイロンは“タキシードをまとった弾丸”と称されました。

 2005年に正式発表されたヴェイロンは、すぐに世界を魅了しました。同年4月、ドイツのエーラ・レッシエン・テストコースで行われたテストでは、公認の立会人のもとで最高速度253.81マイル(約408.5km/h)を記録し、公道走行可能な世界最速車の称号を得ます。

 翌年、英BBC「トップギア」のジェームズ・メイも同コースで時速253.2マイルを達成し、番組はヴェイロンを「2000年代のベストカー」と称えました。マクラーレンF1の設計者として知られるゴードン・マレー氏も、当初は懐疑的だったものの、実際に運転した後には「これは偉業だ」と賞賛し、「古典的な曲線と機械的な要素が融合したデザインは、時を経ても色あせない」とコメントしています。

 ヴェイロンは単なるスーパーカーではなく、文化的な現象でもありました。その大胆な技術力は人々の想像を超え、メディアや映画で象徴的に取り上げられ、世代を超えて“夢の車”として語り継がれています。速度という言葉が「ヴェイロン」を意味するようになり、以後登場するすべてのハイパーカーの基準となりました。

 ブガッティは10年にわたる生産でわずか252台のヴェイロン16.4クーペを製造しました。その希少性と技術的完成度、そして文化的インパクトにより、ヴェイロンは今もコレクターズカーの頂点に立つ存在です。

 ここで紹介する2010年型ヴェイロンはアメリカ市場向けに製造された個体で、ブラックとブルーのツートンボディにブラックレザーの内装を備えています。

 新車時はシリコンバレーのコレクターが2009年に購入し、定期的にディーラーでメンテナンスを受けてきました。2014年には1万マイル点検とラジエーター交換が行われ、その後フロリダのオーナーに渡りました。2023年から現オーナーのもとで引き続き正規サービスを受け、2025年8月にはビバリーヒルズのブガッティ正規代理店で年次点検を実施。新しいタイヤも装着され、メーカー保証「パスポール・トランキリテ」の延長申請も可能な状態です。

 現在の走行距離はわずか6515マイル(約1万500km)。入念な整備と完璧な記録を持つこのヴェイロンは、ブガッティが築いた記録破りのハイパーカーの理想的な1台として、今もデザイン・技術・スピードの象徴であり続けています。

 2010年式ブガッティ「ヴェイロンEB16.4クーペ」、予想落札価格は150万ドルから180万ドル(1USドル=153円換算で日本円で約2億2973万円から2億7570万円)とされています。

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