モータースポーツ参戦で培った技術やノウハウを応用

　TOYOTA GAZOO Racing（以下、TGR）が2025年8月に発売した「カローラ クロス」のハイパフォーマンスグレード「GRスポーツ」。走りのよさをアピールするモデルですが、コンパクトSUVということでロングドライブを伴うレジャーシーンでの活躍も期待されます。

　そこで気になるのがラゲッジスペース。本記事では、そんな「カローラ クロス GRスポーツ」の荷室をチェックしてみました。

「カローラ クロス」は、「カローラ」シリーズ初のSUVとして2021年9月に日本で発売。2025年5月の商品改良で全方位的に進化を遂げています。

　また同タイミングで、新グレード「GRスポーツ」を追加。これは進化型「カローラ クロス」のハイパフォーマンス仕様という位置づけです。

　その開発は、「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」で鍛え上げられたスポーツカー「GR」モデルを展開しているTGRが担当。

「GR」モデルの卓越した走行性能や走りの世界観を多くの人々に提供することを目指した「GRスポーツ」シリーズの最新モデルとして、「カローラ クロス GRスポーツ」がラインナップされたのです。

　TGRがモータースポーツへの挑戦で培った技術やノウハウを活用し、ボディ剛性の強化や足回りのチューニングを実施。さらに、「GRヤリス」や「GRカローラ」といった「GR」モデルを手がける開発ドライバーも携わることで、走行性能を高めているのがポイントです。

　そんな「カローラ クロス GRスポーツ」で見逃せないのは、スタンダードモデルとは異なるパワートレインでしょう。

　熱効率に優れた高出力の2リッターエンジン“M20A-FXS”を核とするハイブリッドシステムを「GRスポーツ」専用ユニットとして設定。力強く爽快な走りと優れた燃費を両立しています。

　また、状況に合わせて最適な走りを選択できるドライブモードセレクトには、「GRスポーツ」専用である「SPORT」モードを設定。専用チューニングによって通常走行時よりも高いエンジン回転数をキープすることで、モーターのパワーと加速時のレスポンスを最大限に高めてくれます。

　トランスミッションには、MT感覚のシフトチェンジを楽しめる専用の6速シーケンシャルシフトマチックを採用。発進時から高速域まで、力強くダイレクトな走りと低燃費を実現しています。

　また足まわりには、「GR」ならではの走り味を実現すべく専用チューニングが施されたフロント：マクファーソンストラット式、リア：ダブルウィッシュボーン式の前後サスペンションを採用。

　一部のフロントロアアームとブッシュを高硬度化したほか、リバウンドスプリング内蔵式ショックアブソーバーの採用やコイルスプリングのばね定数の変更、さらには車高の10mmダウンによる低重心化やロアバックへのリアバンパーリインフォースの設定などにより、操舵応答性や操縦安定性を引き上げるとともに、質感の高い乗り心地も両立しています。

　新しい「カローラ クロス GRスポーツ」のエクステリアは、スポーティなデザインと走りのための機能を両立しています。

　専用のフロントバンパーには、「GR」の各モデルに共通する“ファンクショナル・マトリックス・グリル”を採用。“G”をモチーフにした六角形のメッシュ状デザインを取り入れています。

　アッパーグリルには、「GR」各モデルのアイデンティティである、ヘッドライトを一文字につないだデザインを導入。低重心と安定感を強調したスポーティな印象のフロントフェイスとしています。

　またバンパーサイドには、空気の流れを最適化すべく開口部を設定。走行時の安定性向上につなげています。

　足下には、ダーククリア切削光輝＆ブラック塗装仕上げを施した専用の19インチアルミホイールを採用。センターオーナメントやブラック塗装ホイールナットも備わります。

　加えて、ドアウインドウフレームモールやリアのバンパーロアガーニッシュ、前後のトヨタエンブレムをブラックでコーディネート。さらに、専用のツートーンカラーもオプションで選べます。

　インテリアは、「GRスポーツ」らしいスポーティな仕立てが見逃せません。

「GR」ロゴの入った専用スポーツシートは、シート表皮のメイン部にすべりにくいスエード調素材を採用。コーナリング時に強い横Gがかかっても体をしっかりサポートしてくれます。

「GR」ロゴとグレーのステッチが配された専用の本革巻き3本スポークステアリングは、スモークシルバーのメタリック加飾でデコレート。センタークラスターやインパネオーナメント、サイドレジスターベゼル、ヒーターコントロールパネルなどにも同様の加飾が施されています。

　さらに専用アイテムとして、パドルシフト、アルミペダル、「GR」ロゴ入りスマートキーが採用されているのもポイントです。