初代オーナーはピンク・フロイドの創設メンバー! 45年前の「BMW初のスーパーカー」がオークション登場 走行1.5万キロの極上「黒いM1」とは
2026年1月に米国アリゾナ州「アリゾナ・カー・ウィーク」で開催されるRMサザビーズ主催のオークションに、1990年式BMW「M1」が出品される予定です。
どんなクルマなのでしょうか。
1970年代後半、無敵とも言われたポルシェ911に挑むべく、当時BMWモータースポーツのトップであったヨッヘン・ニーアパッシュ氏は、サーキット走行に特化したまったく新しいマシンの開発を指示しました。
しかし、ホモロゲーション取得に必要な400台を自社で生産する体制が整っていなかったBMWは、ミッドシップ車のスペシャリストであるランボルギーニに協力を求めます。
「ミウラ」の開発で知られるジャンパオロ・ダラーラ氏が鋼管スペースフレームの開発に関わったとも言われていますが、経済状況の悪化により、BMWは1978年4月にM1プロジェクトを自社主導へと切り替えました。

体制変更後もプロジェクトは国際色豊かなもので、ボディデザインはイタルデザインの巨匠ジョルジェット・ジウジアーロ氏が担当し、イタリア・レッジョ・エミリアのTIR社で製造されました。
シャシはモデナのマルケージ社が組み立て、最終的にトリノで両者が統合されます。その後、ほぼ完成した車両はドイツへ送られ、パウル・ロッシュ氏設計の3.5リッター直列6気筒エンジン「M88/1」がバウアー社により搭載されました。
こうして誕生したBMW M1は、同社唯一のスーパーカーであり、記念すべき初の“M”モデルでもあります。
1978年から1981年にかけて生産され、レース仕様はわずか56台、市販仕様はホモロゲーション用として399台のみが製造されました。
本車両は、1979年にアルバム『ザ・ウォール』を発表した直後のピンク・フロイド創設メンバー、ロジャー・ウォーターズ氏に新車で納車された個体です。
BMWモータースポーツの請求書によれば、1979年3月に完成し、ボディカラーは人気の高いブルー(コード207)で仕上げられていました。ウォーターズ氏自身がドイツで受け取り、その後1980年4月に英国へ輸入しています。
42年間にわたり大切に所有され、整備記録や登録書類、当時のドイツナンバー、購入時の書類など豊富な資料が残されています。
2021年に米国へ渡った後も丁寧な整備が施され、走行距離は約1万5600km。現在も極めて高いコンディションを保つ、希少かつ由緒あるM1の一台です。
この1980年式BMW「M1」、落札予想価格は55万ドルから65万ドル(1USドル=154.9円換算で、日本円で約8518万円から1億67万円)とされています。
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