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20年前の極上「アメリカン・スーパーカー」がオークションで落札 走行わずか180キロ ビッカビカの「赤いフォードGT」の価値とは

2011台作られた2006年生産モデルの1台

 2025年12月にUAE(アラブ首長国連邦)アブダビで開催されたRMサザビーズ主催のオークションで、2006年式フォード「GT」が出品され、落札されました。

 どんなクルマなのでしょうか。

 フォード・モーター・カンパニーが「GT」を世に送り出したのは、創立100周年という大きな節目を祝うためでした。

 その開発時期は、同社において新たな発想とレトロ志向のデザインが同時に進んだ時代と重なり、過去の名車の名が次々とラインナップに復活した時期でもあります。

 フォードGTの原点となった「GT40コンセプト」は、2002年の北米国際自動車ショーで公開され、そのデザインと名称の双方において、40年前にル・マン24時間レースを制した伝説的レーサーGT40への明確なオマージュが込められていました。

 2004年末には量産が開始され、モデル名はシンプルに「GT」となります。

 低く構えたミッドシップのスーパーカーは、オハイオ州ノーウォークで基本構造が組み立てられ、最終仕上げはミシガン州にあるフォードのSVT専用施設で行われました。心臓部には、オールアルミ製5.4リッターV型8気筒エンジンを搭載。リショルム式ツインスクリュー・スーパーチャージャーにより、最高出力550馬力、最大トルク500ポンドフィート(約678Nm)を発生します。

オークションに出品され落札された2006年式フォード「GT」Abdulla Jaafari(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品され落札された2006年式フォード「GT」Abdulla Jaafari(c)2025 Courtesy of RM Sotheby's

 最高速度は330km/h、0-100km/h加速は3.3秒を誇り、当時のポルシェ「カレラGT」やメルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン」と肩を並べる存在として、フォードGTは一躍スーパーカーの頂点に名を連ねました。

 2004年から2006年までに生産された台数は約4000台で、2006年モデルは2011台。その中でも本車は、同年式でわずか348台のみが製作された「マークIVレッド」で仕上げられた一台です。

 付属するデラックス・マーティ・レポートによれば、テキサス州のローンスター・フォードを通じてデリバリーされ、当初はユタ州で登録されていました。装備は「4オプション仕様」で、BBS製鍛造ホイール、レッドのブレーキキャリパー、ホワイトのフルレーシングストライプ、そしてマッキントッシュ製オーディオシステムを備えています。

 さらにシートには、人気の高い後付けアップグレードである「ホットボタン」風グロメットが装着されています。これは必要に応じて元に戻すことも可能で、2002年のGT40コンセプトカーや往年のレーシングGTの雰囲気を、インテリアでより強く再現するためのディテールです。

 2017年にはアラスカ州で登録された後、同年中にスイスのコレクションへと渡り、現在はアラブ首長国連邦に保管されています。

 複数の国を渡り歩いた経歴を持ちながらも、実走行は極めて少なく、取材時点でのオドメーターはわずか111マイル(約178km)。重要なスーパーカー・コレクションに展示するにふさわしい一方で、生産終了から約20年を経た今、ほぼ未走行のフォードGTを実際に体験できる希少な機会とも言えるでしょう。

 この2006年式フォード「GT」、最終的に61万2500ドル(1USドル=156.6円換算で、日本円で約9591万円)で落札されました。

Gallery 【画像】現代に復活したアメリカンスポーツ! 20年前の極上「フォードGT」を見る(30枚)
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